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反転の翼  作者: 音色 まや
第1章 翼のない悪魔
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6 落下

ナンシーはニアをコンクリートの正方形の灰色の上に見つけた。

悪魔の国には、コンクリートの正方形のブロックがくっついたり、離れたりして浮遊している。

ニアはナンシーが来ても、笑うだけで、何にもナンシーに咎めなかった。

「ここじゃあ、透視出来るものがなかったから、雨が少し降ったときに、それを掬って透視をしてみた。結果は、いつも通りだった。こんなことしか出来ない悪魔なんて、普通の悪魔は僕のこといらないのにさ。」

正方形のコンクリートの上でナンシーに話しかけた。

「どうした?ナンシー?そこに何かあるのか?」

ベントが急にナンシーの後ろから気配を殺してやってきた。

「べ、ベント様!弟のニア様は、どうするおつもりで!」

ナンシーはベントに近づこうとしたが、ベントは大剣の柄を握りしめた。

ナンシーは自分の運命を呪った。

「最後に言わせてください。城主。」

ナンシーは規則的な悪魔の挨拶を空中でやると、こう言った。

「ニア様は、誇るべきです!まだ、います!助けるものです。」

「おまえ。」

ベントは凄い目付きで言った。

「将の息子をなめてないか?まあ、いい。おまえは俺の分門に下れ。」

ベントは炎の虎に引かれた。

誰にも挨拶もしていないのに、ニアは今生を離れた。


落下していく意識の中、ニアは思った。

「もし、また兄さんにあうことがあったら、その時は。悪魔の本当の姿で会いたい。ナンシーにも。」


霧がかかっていた。

「痛っ!」

ニアが落ちた第一声がこれだった。

ニアが面をあげると、コンクリートは浮いてない。

ニアは悟った。ここは最下層であった。

すぐに戦禍で死んだ兵の中から、兵糧を、見つけ出し、ポシェットから出しては、むしゃぶり食った。ナンシーには言ってないが、一週間ぶりの食事だった。

今度は水を探そうとして、死んだ兵を回り、竹づつを見つけ、飲んだ。

ニアは分かった。

「どうしよう、寒すぎる。」

ニアは死んでいる人から、厚手の服を厳選し始めた。

ニアは温かくなると、安心と適度な快適さで、眠った。

「翼の無い悪魔がいるって、バレたな。兄さんのことは言ってないけど、もう上にいくのは無理だろう。」

ニアは眠りに入る前に少し考えた。

「自分で決まった物ではなく、色々見ていいんだ。今、世界が見たい。でも、」

ニアは寝ながら言った。

「そんなことしても、兄さんに生かされていた僕は何日生きられるのだろう?ここで。」

最下層の床の上でニアは寝た。

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