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【4】
「ーありがとうございました」
ドラッグストアを出、くるみは急いでアパートに戻った。学校へは今日は休むと連絡しておいた。部屋に入ると急いでトイレに向かう。
ー落ち着け、あたし。
しかし、心と体はバラバラで、もたついてしまう。何とかドラッグストアの袋から買ってきたものをようやく手にする。それは妊娠検査薬だった。
ーどう使うの、もう!!
1人で焦りながら、何とか中身を取り出す。どうか何もないでと、祈りながら、説明書に書かれているように使用する。答えはー陽性だった。
「…。嘘」
愕然としたくるみは便器に座ったまま、生気なく呟く。やはり吐き気はつわりだったらしい。確かに、和彦とはコンドームを使ったりしていたが、こういう事態になるとは夢にも思わなかった。
「産婦人科!!」
1人では心もとないので、誰かの確証が欲しく、くるみはまた慌てて出かけたのだった。