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【3】
「ーよし」
黄色の靴を履き、くるみは学校に行こうと立ち上がる。アパートを借りており、1DKだった。駅の近くでスーパーも買いに行きやすい距離にあるので、便利だった。エアコンを止めたばかりだから、まだムッとした空気にはなっていなかった。
ー外は暑いかなあ。
夏は嫌いではないが、呼吸できない暑さは苦手だった。ドアノブに手をかけようとした途端、違和感が起きた。
「う…」
吐き気を催し、土足のままトイレに向かう。自分でも何が起きたのか分からなかった。
ー何。何。何。
くるみの頭は混乱し、不安が強かった。頭を回転して思いついたのは、1つだった。
「…まさか」
腹にそっと触れる。顔色は真っ青だった。
ーやばい。
くるみは危機感を覚え、嘔吐感を抱えたままでも、慌てて外出したのだった。