表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

第六話 大川戦

神奈川第一は人数少ないながら

試合を何度も行い

サッカー部の復活を他の学校に知らしめた。

もちろんまだあの時の強さまではいかない。

だが、確実に力はついている。

1人1人の個の強さ

そして、秀人の知力は他の高校には脅威とも言える。

そこにナツの圧倒的なサッカーセンスが重なる事で

神奈川第一は超攻撃的サッカーチームとなる。

もちろん守備の硬さも評価されている。

佐々木を中心に2年生3人の守備は素晴らしいものがある。

特に獅鷹の守りから攻めに転じるスピードは

他高校から恐れられている。

そんな神奈川第一を見た一年生が春から10人も入り

部員数は21人となり

日々の練習にも熱が入り

仲間同士のステータスも上がって行った。

そして、

今日は大川高校との試合当日だ。

この高校には1人星野と言う選手が群を抜いている。

ポジションはFW。

高さのある攻撃が特徴ある高校だ。


学校に着いた時1人の大川の生徒が話しかけてきた。

「あのー神奈川第一のみなさんですか?

ベンチはあちらになりますのでその近くで

集合場所にしてもらってかまいませんので!」


秀人は場所を確認すると

「ありがとうございます。

監督にも挨拶したいのですが、、、」


すると、その生徒は校舎側を指を指し、

「あちらに座ってるのがうちの監督です」

そう言って秀人を案内した。


秀人は大川の監督と話している間

さっきの生徒がナツに話しかけてきた。

「君が速水夏樹くん?

めちゃくちゃ上手いって聞いたんだけどさ!

背もすごい高いね」


ナツは振り返り笑顔で答えた。

「ん?そうだけどー!

俺の名前がこの学校にも伝わっているとは!!」

ものすごい高笑いをしていた。


「めっちゃ笑うね!今日はよろしく!」

ナツの高笑いにちょっとビックリしながら

自分のチームに戻った。

「ナツ、やめろよ!見てるこっちが恥ずかしいわ」

そんな安井だった。


「今日の大川は、高さのある攻めがある。

コーナー、フリーキックそして中に上がってくるボールにディフェンス陣は気をつけてくれ。

攻めに関してはいつも通りだ。

だが、ディフェンスのラインにも気をつけてくれ」

秀人の話を皆聞き入れて

グラウンドに入った。


ナツは相手の背番号をじっと見ていた。

「どれだー??10番は、、、いた!」

すると、その10番を背負っていたのは

先程話した生徒だった。


「まじか!あいつだったのか!星野ってヤツ」

吉田は自分が担当するマークの星野を確認した。

高さのあるチームとは言ったものの

星野の身長は170センチもないくらいの身長。

秀人が言っていた10番と

高さが強いと言う事だから

勝手に背の高い選手かと思っていた。


そして、

試合が今開始する。


まずボールを持ったのは神奈川第一だった。

神奈川のパス回しから

サイドの勇気にパスが回る。

そこからサイドを駆け上がりセンターリングを上げた。


しかし、

そこはDFに阻まれナツにはボールが渡らなかった。


「勇気くん、ナイスボールです!」

「悪い!もうちょい早めに出す!」

とは言ったが特別パスが遅かったわけでもない。


今度は大川の攻めだ。

10番の星野をマンツーマンでマークする吉田。

「こいつにいつボール来るんだ!?」

ボールと星野を交互に見ながら緊迫した空気が続いた。


大川はドリブルで上がってきた所で周りを見る。


「来るか!?」

吉田は一層警戒したが

そのボールはサイドの選手に回された。

少しホッとしていた。


サイドに出たパスを秀人が

カットして速攻を開始した!


ドリブルで上がる秀人。

「ヒデくん、前空いてるんで持っていって大丈夫!」

ナツは秀人と並走しながら声をかけた。

だが、すぐに秀人の前にディフェンスが来た。


ナツは

秀人にワンツーを要求した。


ナツは

ボールをもらい秀人を見てボールを出すフリをした。

ノールックパスでサイドの勇気に鋭いパスを送った。


それを見ていた観客は

「おぉー!やっぱすげーな!あの9番。

よくそこ見えてたな!」


ボールをもらった勇気は今度は早い段階で

ボールを蹴った。

ナツは

すぐにペナルティエリアに入り

そのボールをヘディングしようとしたが

同じくジャンプしたディフェンスにまた阻まれてしまった。コーナーキックになった。


「すいませんー!勇気くん。タイミングが、、、」

謝るナツだったが勇気はナツに駆け寄り話した。

「いや、ダメだ。上のボールはやっぱ基本強いな。

高さがあるボールは取りにくい。

低めのボールで今度行くよ」

もちろん背が高いディフェンスだが

ナツも小さい訳ではない。

ただヘディングの高さのディフェンスを

よく練習しているのだろう。


コーナーキック。

蹴るのは仁。

仁は大きく蹴った。

ディフェンスを超えるボールだ。

そこには達也が待っていた。

来たボールを胸でトラップをして

もう一度中へ低めのパスを蹴った。


秀人はボールを受け取り

1人ディフェンスを交わしてシュート!!


しかし、

ボールはキーパーにキャッチされてしまった。

悔やむ顔をする秀人だったが、

キーパーはすぐに先にいる星野を見ていた。

「上がれー!!!」

大きな声を出してすぐにボール蹴った。


大きく飛んだボールは吉田と星野のとこへ飛んできた。

吉田はヘディングで跳ね返そうとジャンプした。

そして、同時に飛んだ星野。

身長差を考えても先に触れるのは吉田だ。

だがボールが届く瞬間何か違和感を感じた。


(え!?

まさか!?んなわけない!同時にジャンプしてんだよ、

身長を考えても俺が先に触れる!!)


そう自分の前に人の体があった。


星野だった。


星野のジャンプ力が吉田を上回っていたのだ。

そして、ボールは星野のヘディングにより大川ボールになり一気に前にドリブルを開始した!


着地した吉田は慌てて下がる。

「1人ボールに行け!吉田はそのまま10番をマークしたまま下がれ!」

キーパーの安井が叫ぶ!


大川はコーナーまで来る。

「まずいな!」

秀人は急いで戻った。

この形は大川の得意な攻め方だった。


ボールは蹴られ

中には走り込む星野と吉田。

そして獅鷹。

「獅鷹!そいつ高いぞ!」

吉田は叫びながらジャンプした!

そこに獅鷹と星野もジャンプした!


ボールはゴール前!


やはり上にいたのは星野だった!

2人のディフェンスよりも頭ひとつジャンプしている。

こんな高いボールは触れない。

これを狙って蹴っている大川。

そして、ボールを叩きつけるようにヘディングした星野。


そのボールはバウンドしながら

安井の手を抜けサイドネットを揺らした!


「ゴールッッッ!!」

「わーーー!!」

「やっば!どんなけジャンプ力あんだよ!」

周りにいた人はみんな歓声を上げた。


とんでもないヘディングだった。

まさにこれだった。

秀人は恐れていたがこれが大川の高さある攻め方だった。

全員が空中戦が強いのもそうだが

まさか背が低いにもかかわらず

あのジャンプ力を持っている星野はとんでもない選手だった。

先制点は大川高校。


1-0


そして、今前半が終了した。


第六話 大川高校 end...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ