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第五話 次へ

この結果は誰も予想出来なかっただろう。

3軍とは言え強豪校、新開高校に

1週間前に出来た新チームが勝つ事など。


「まぐれで勝った??いやいや、圧倒的だったろ!

間違いなく神奈川の勝利だよ」

観ていた人は誰もが言うだろう。

後半から圧倒的な攻撃力に一切手も足も出なかった新開。



それは新開自身も思っているに違いない。

まさか自分達が負けるなんて思ってもいな買った。


「ありがとうございました!!」

両校挨拶を終えベンチへ戻る。


ベンチに戻る前からニヤニヤが止まらなかった。

「よっしゃー!!」

ガッツポーズでナツは叫んだ。

みんなで抱き合い喜びを分かち合う。

「やべーよ、まじで!勝ったよ!」

嬉しさが爆発していた。

「ナツ!やっぱお前スゴイわー!!」

安井はナツの肩を組みながら言った。


だがナツは秀人を見て

「いや、これはヒデくんのおかげですよ。

このポジションも作戦も全て上手くいったのは

ヒデくんが俺らを見て相手の試合を見て

どう試合を組み立てれば勝てるか。

それをこの1週間で作り上げてくれた。

俺は来たボールをしっかり仲間に。

それとゴールに結びつける。

これしか出来ないんで。

、、、でも、やっぱり楽しかったーーー!!

全員で勝ち取った勝利!!

サッカーは1人じゃ出来ないんですよ!

全員サッカーです!」

ナツの言葉に皆笑って喜びを噛み締めた。


「ナツ、それは違うよ。

みんなが俺に付いてきてくれただけだ。

ありがとう」

秀人も全員に感謝告げた。


「まあ、全員最高って事だろ!」

安井は2人と肩をガッツリ組み喜んだ。

そんな姿に

顧問の斉藤も涙を浮かべてしまった。


「いやいや、早いって!1試合しただけだから!」

みんなで先生を囲み談笑していた時だった。


「お前らは何やってんだ!?」

新開のベンチからものすごい怒号が聞こえた。

コーチは新開の生徒達に怒り狂っていた。


「お前ら全員3軍のスタメン落ちだ!!また下からやり直せ!!」

そう言うと帰り支度をして

こちらに軽く会釈をし

新開はグラウンドをあとにした。


「あんなんじゃあ、嫌になるわな」

「あれが新開って高校。絶対的強者じゃなきゃスタメン落ちは当たり前。

あんなんサッカーやってても面白くないっしょ!

ビクビクしながらやって何が楽しいんだか。

まあ、俺は一度も落ちてないがな!!」

すごい高笑いするナツ。


「おい!あいつ誰か黙らせろ!」

安井と仁が取り押さえた。


「よし、じゃあグラウンド整備して今日の反省点をまとめて解散しよう」

秀人の言葉にみんな返事をし



-次の日-


「おい!聞いたかよ?サッカー部昨日勝ったらしいぞ!」

「新開って強いとこじゃなかった?」

「いや、でも3軍らしいよ」

「6-0は、スゲーな!!なんか速水って奴が3点入れたとか」


学校では昨日のサッカー部の話題で持ちきりだった。


「俺らヤバない?」

「いやぁ、なんか有名人なった感じだな」

2年チームが話していると

鼻高々の安井が来た。

「よお!俺らの凄さに学校中が気づいたな!

特に俺のナイスセーブは凄すぎだと、、、

いやぁ、困るなぁ、、、俺も忙しいからサインとか、、、」

そんな自慢話をする安井をボーっと見守っていた2年

だった。


「おい!やべーぞ!またナツが!!」

走ってきたのは勇気だった。

「勇気さん、ナツがどうかしたんですか?」

加藤が聞くと

「良いからグラウンド来い!」

そう行ってグラウンドへダッシュで向かった。


そこにはたくさんのギャラリーが囲っていた。


「ぜってー打つぜ!!」

その声の先にはナツがいた。

そして何故かバッターボックスに立っていたのだ。


「あー、、、あいつってサッカーしに来たんだよな?」

半笑いな安井は2年生達に聞き直した。


ナツの横には仁がいた。

すぐに駆け寄り理由を聞いた。

「仁、いったいどーゆう事だ?なんであいつあそこいんだよ!」


「あっ!勇気さん!いゃあ、これはですねぇ」

申し訳なさそうに勇気に話そうとした時、

「どーやら1打席勝負でヒット打ったらグラウンド半分貸してくれるらしいな。

まあ、打てなきゃ一週間使えないらしいが」

笑いながら秀人が入ってきた。


秀人が知っている事に驚いた勇気だったが続けて聞いた。

「一週間!?ヒデ、お前知ってて止めなかったのかよ!無理に決まってんだろ?

あいつ素人だろ!?一週間使えないって。何やってんだ、、、今週試合だぞ!?」


「よっしゃー来い!」

気合い十分なナツ。

そんなナツに野球部は呆れた表情でいた。


「おーい!まじでやんのか?わりぃけどそう簡単に打てねーよ、

これでもスタメンやらせてもらってんだよ」

野球部からしたら舐めてるとしか思えないナツの行動。


「おっけ!おっけ!良いの頼むぜ!」

ナツはバット握りセットした。


そして、1球目。

速いストレート。

気付いた時にはキャッチャーのミットの中にボールがあった。

「ストラーイク!!」

ナツはバットを振れなかった。

「速っ!めちゃくちゃ速くない!?」

驚いたナツにピッチャーも返した。

「言っただろ、舐めんなって!打てるわけねーだろ」


2球目。

遅いカーブにタイミングをずらされ大きく空振り。

「くぅ〜!でも、なんとなく見えてきた気がする!」

ナツはすぐにバットを握り直した。

「おーい、あと1球だぞ〜!

1週間だからなー!」

ピッチャーは当たり前だが余裕の顔だ。


3球目。

ボールはバットをカスッてファールボール。

なんと当たった。

カスッたとはいえ当たった。

「おしーな!まだまだー!来ーい!!」

まさか当たるとは思ってなかったピッチャーも

少し驚いた。

「マグレか、、、!?」

少し怒りさえも込み上げてくる。


ピッチャーはナツには聞こえない声で独り言を言った。

「ふざけんなよ、、、俺のボールをど素人が

カスるなんてよ、、、」


4、5球目、

前には飛ばないものファールボールが続いた。

ナツは見えて来ていた。

ピッチャーもこの事態に焦りを見せていた。

「なんで、当ててくんだよ、、、」


「なあ、仁どう思う?あれ打てると思う?」

佐々木が仁に聞いた。

「いやぁ、どうですかねぇ。実際わからないですね。

ただ言える事はあいつ動体視力だけは

めちゃくちゃ良いですよ。

だから、ワンチャンあるかなと思ってます」


そして、

6球目だった。

早いストレート。

さっきよりも早いスピードでナツに向かって来る。

しかし、ナツはやはり目で追えていた。

そして、、、

快音が響いた!


カキィーーン!!!


「まじかよ!」

サッカー部みんな打球を目で追った。


ナツは飛んだボール見て

ホームランを予想をしガッツポーズしていた。

「よっしゃー!いけーーー!!」

ピッチャーも打球を見てまさかの顔で追っていた。


「おい!これ入るんじゃないか!?」

見ていた人はみんな思った!


だが、打球はスピードが緩み

外野フライでしっかり取られてしまった。


「あーーー、、、!!」

ナツは入る気でいたので

立ったまま立ち尽くしていた。

そんなナツに

ホッとした表情をしていたピッチャーだった。


だが、ナツはすぐに気持ちを切り替え

ピッチャーに胸を張って言った!

「打ったぞ!俺達の勝ちで良いんだよな!?」


「いや、ヒットってルールだったろ!お前セコイぞ!」

内心は安心しきっていたに違いない。


慌ててナツも言った

「いやいや!じゃあ、今回は打ったから引き分けって事でさ!今回の事はなしで、、、良くない?」


「あるわけねーだろ!!」



ヤバいと思ったナツはすぐに謝ったが

結果は野球部の勝利で勝負あり。


約束通りサッカー部は

1週間グラウンドを使えなくなってしまった。

「いやぁ、惜しかったよねー、、、あとちょいだったんよ!、、、どうしよ!?」

苦笑いでみんなに話しかけて来たが

全員に怒りマークが見えるくらいに怒っていた。


「お前どーすんだよ!今週試合あんだぞ!

また練習試合出来るってのに!

何処で練習すんだ!バカやろー!!」

安井はナツに怒鳴りつけた。

「あー、、、とりあえず走りますか、、、??」

みんなから殴られる、ツッコミを入れられるナツだった。


「こんな事になるかと思って

知り合いに他のグラウンドを取っといてもらった」

秀人はやはり先を考えていた。

みんなからの尊敬の眼差しはとてつもなかった。


「さすが、キャプテン!やっぱりキャプテンとなると

先を見る力がスゴいな」

「お前が言うなー!!」

周りから一斉に怒鳴られるナツだった。


第5話 次へ end...


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