異02-04 金鼎・鐘鳴・元馬・銅釜
○金鼎變銅鐸
苻堅建元年中,長安樵人於城內見金鼎,走白堅。堅遣載取到,化為銅鼎;入門,又變成大鐸。
苻堅が統治していたころの前秦における建元年間、長安のきこりが城内見にて金の鼎を見出したため慌てて苻堅のもとに駆けつけ、報告した。苻堅が臣下にかごを持って駆けつけさせたところ、銅の鼎に変わっていた。ともあれ獲得し、門に入るとこんどは大鐸に姿を代えるのだった。
○鐘鳴水中
西河有鐘在水中,晦朔輒鳴。聲響悲激,羈客聞而凄愴。
西河に鐘が沈んでいた。この鐘は日暮れと夜明けにそれぞれ鳴った。その音色はひどく悲しげなものであり、旅人たちはその音色を聞いては悲しみに沈むのだった。
○元馬河碧珠
越巂門會元縣有元馬河,有銅鈁船,河畔有祠。中有碧珠,若不祭祀,取之不祥。
越巂郡の会無縣には天馬河がある。ここには銅の鈁船があり、河畔には祠が設けられている。祠の中には碧珠があるのだが、祭祀もなしに取り出そうとすると災いが起きるとされている。
○銅釜作聲
長山朱郭夫妻採藻澗濱,見二銅釜沿流而下,取之而歸。有員蓋滿中,銅器光輝曜目,自然作聲。郭懼運蓋,北山埋之。而後賣釜,與人共載出,為貨船無故自覆,失釜所在。
長山の朱郭が妻とともに川辺の水草の採集に出掛けた。すると二つの銅釜がどんぶらこと流れてきた。朱郭は拾い上げ、持ち帰った。その銅釜は丸い蓋でぴっちり密閉されていた。つややかに輝き、自然と涼やかな音を鳴らしもする。朱郭は恐ろしいものを感じて蓋を取り外して北の山に埋めてしまった。
また釜についても人に売り払った。買った人が舟に乗って漕ぎだしたところ、その舟が突然、なんの前触れもなしに転覆した。そして釜の所在も失われた。
(異苑2-4)
このうち「元馬河碧珠」は微妙に華陽国志に載っていました。そしたらあまりにももろもろも字が違いすぎて大丈夫かおい、という感じに。ただ、この字のゆれって後漢書も引き継いでるんですよね。原文の字は後漢書と一緒ですが、それにしても「門」ってなんやねん。秦の統治下に入る前の蜀の地における行政区画だったのかなあ。この、うかつに誤字と切り捨てるわけに行かない感じが楽しいです。




