異01-03 九嶷・衡山・汨潭・姑石
○九嶷山舜廟
衡陽山、九嶷山,皆有舜廟。每太守修理祀祭潔敬,則聞弦歌之聲。漢章帝時,零陵文學奚景於冷道縣祠下得笙白玉管,舜時西王母獻。
衡陽山や九嶷山には、どちらにも舜の廟があった。太守が変わるたび修理や祀祭が執り行われ、また廟内外を掃き清めると弦歌が響いたという。漢の章帝の時、零陵の文人、奚景が冷道縣の祠の下で白い玉にて管がつくられた笙を得た。これは舜の時に西王母が獻上したとされるものであった。
○衡山三峰
衡山有三峰極秀。其一名華蓋,又名紫蓋,澄天明景,輒有一雙白鶴回翔其上。一峰名石囷,下有石室,中常聞諷誦聲,清響亮徹。一峰名芙蓉,最為竦桀,自非清霽素朝,不可望見。峰上有泉飛派,如一幅絹分映青林,直注山下。
衡山には三つの極めて尖った峰があった。そのうちのひとつは華蓋もしくは紫蓋と呼ばれ、澄み渡った晴れの日にはひと組の鶴が峰の上を回遊した。ふたつめの峰は石囷と呼ばれ、下に石室があり、中からは常に経典の詠唱が清らかに、はっきりと響き渡った。みっつめの峰は芙蓉と呼ばれ、最も高くそびえ、よく晴れ渡った朝でなければ望み見ることも叶わなかった。峰の上からは水が流れ落ち、さながら一本の絹が青々とした森林に垂れ込むかのように、一直線に山の麓に注いでいた。
○汨潭馬跡
長沙羅縣【湘陰縣】有屈原自投之川,山明水淨,異於常處。民為立廟在汨潭之西,岸側盤石馬跡尚存。相傳云:原投川之日,乘白驥而來。
長沙の羅県(のちの湘陰県)には、屈原が身を投じた川がある。山が明るく、水が清らかで、明らかに異界、仙界の佇まいである。土地の人々は汨潭の西に屈原の廟を建てた。その岸辺には馬の蹄跡が刻まれた板状の石があった。伝承によれば、屈原が川に身を投げるときに白い馬に乗ってやってきたのだという。
○姑石山
潯陽姑石山,在江之坻。初,桓玄至西下,令人登之。中嶺,便聞長嘯聲,甚清澈;及至峰頂,見一人箕踞石上。
潯陽の姑石山は、長江の中洲にある。過去、桓玄が西に向かう途中、配下に山に登るよう命じた。山の中腹にさしかかったところで美しく、よく通る歌声が朗々と響いた。山頂に辿り着けば、石の上であぐらを組む人物がいたのだという。
(異苑1-3)
初めの謎のいたずらする虹たちの話から一転、妙に美しい景色が連続で紹介されています。どういうことなんでしょうねこれ。ともあれ、こうした内容をうまく物語に取り込めると良さそうです。地理索引もやっぱり作ってみたかったなー。まぁこちらは検索で割と代用が効くからいいか。




