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揺訳 捜神後記/異苑  作者: ヘツポツ斎
捜神後記十一巻 補編

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捜11-06 胡博士 他二編

○胡博士


ある書生がに住んでいた。その髪の毛は白く、胡博士こはくしと自称して經傳きょうでんについての教育をしていた。その教授においては様々な書物よりの引用が施されていたが、数年すると突如として姿を消した。

その後の九月九日、士人らがとある山を散歩していた時、山中から経典読誦の声が聞こえてきた。どこから聞こえる声なのかと探ってみれば、空っぽの墓地があった。中に数歩踏み込めば、狐たちが並んで座っていた。人間の闖入に驚き、狐たちは逃げ去ったが、一頭の老狐だけは去らずにいた。そう、かの白髪の書生だったのである。



○朱恭墜廁


そう朱恭しゅきょうと言う悪人がおり、殺しや盜みを生業としていた。ある夜に蓮花寺れんげじに至り、尼を殺しものを盗んだ。しかしその夜、どれだけ走り回っても寺院から脱出が出来ないでいた。ついには外にある便所に落ち、死んだ。盗品は最後まで背負ったままだった。



○馬勢婦


富陽ふようの人、馬勢ばせいの妻は蔣氏しょうしである。あるとき村に病にて死にかけるものが出ると、蔣氏はきまってぼんやりとし、そして何日か眠り続けた。その人が死亡すると目を覚ました。そして夢に見たことをつぶさに語るのだが、もちろんその内容をまともに信じるものはいなかった。

あるとき蔣氏はこのようなことを隣人に話す。

「ある人が病を得たので、わたしは彼を殺そうと思ったのです。しかしその魂は怒り昂ぶっており、なかなか死なずにおりました。私が彼の家の中に入ると、神棚に白米の飯と,いくつかの魚料理が供えられていました。私は厨房でしばらく時間を潰していたのですが、そこでいきなりその家の婢にいきなり邪魔されたので、彼女の首筋をしたたかに打ち、昏倒させました。とは言えしばらくすると目覚めたのですが」

やがて蔣氏の兄が病を得た。黒衣のものがあらわれ兄を殺すよう命じたが、蔣氏は目こぼしを懸命に願い出、ついに手を下すことが出来なかった。やがて兄が目覚めると蔣氏は兄に言った。

「あなたは生きるべきです」




胡博士

有一書生,居吳,皓首,自稱胡博士,以經傳教授。假借諸書經傳,年載,忽不復見。後九月九日,士人相與登山遊觀,但聞講誦聲。尋覓,有一空塚;入數步,群狐羅坐。見人,迸走;唯有老狐獨不去,是皓首書生。


朱恭墜廁

宋有惡人朱恭,每以殺盜為業。夜至蓮花寺殺尼盜物,一夜遶院而走,不知出處,遂墜露廁而死,背猶負物。


馬勢婦

吳國富陽人馬勢婦,姓蔣。村人應病死者,蔣輒恍惚,熟眠經日。見人死,然後醒。覺則具說,家中不信之。語人云:「某中病,我欲殺之。怒強魂難殺,未即死。我入其家內,架上有白米飯,某種鮭。我暫過灶下戲,婢無故犯我,我打脊甚,使婢當時悶絕,久之乃蘇。」其兄病,有烏衣人令殺之,向其請乞,終不下手。醒,語兄云:「當活。」



(捜神後記11-6)




蔣氏は死に神に命じられて死にかけの者の命を刈り取る仕事をさせられていた、と言うことでいいのかな。それにしても婢がとんでもねえとばっちりぶりです。かわいそう。

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