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揺訳 捜神後記/異苑  作者: ヘツポツ斎
捜神後記一巻 神秘的存在との邂逅
8/198

捜01-07 目巖 他三編

目巖もくがん


平樂縣へいらくけんを流れる川に臨む山の岩壁には二つの穴が空いており、それが人の目のように見えた。その大きいことときたら白目と黒目すら見分けられるほどである。このため地元の人々からは「目巖」と呼ばれていた。



石室樂聲せきしつがくせい


始興しこう郡の機山きざんの東にはふたつの巖がそびえ立っており、それぞれが向かい合って機山東端の屋根飾りのようであった。それぞれの巌には、石室が数十ヶ所あり、ここを通過するものに銅鑼や琴のような音色を聞かせていたという。



貞女峽ていじょきょう


中宿縣ちゅうしゅくけん貞女峽ていじょきょうという峡谷があった。峽谷の西岸、海のすぐほとりに人の形のような石があった。まるで女の子である。その石のことを地元では「貞女」と呼んでいた。言い伝えによれば、しんの時代、何人かの女性が連れ立って巻き貝を取りに行ったとき突然の嵐に襲われた。昼でもなお暗くなるほどであったと言う。嵐が過ぎたとき、一人の女子が石に変わっていたのだとか。



姑舒泉こじょせん


臨城縣りんじょうけんの南16kmほどのところにある、蓋山がいざん。この山を登って百步ばかり進んだところに、姑舒泉はある。

昔、舒女じょじょという女性がいた。彼女は父とともに薪集めをする際この泉に立ち寄ったのだが、やがて泉のほとりに腰掛けると、いくら引っ張ってもびくとも動かなくなった。父が家に帰ると告げても、実際に立ち去ってしまっても、ただ水面のゆらめきを見つめたまま。

のちに舒女の母が言う。

「あの子は音樂が好きだったわね」

そうして琴を弾きながら歌う歌を作り、奏でてみれば、その泉ににわかにうねりが起こり、つがいの朱鯉が姿を現すのだった。

この泉で歌を歌えば今でもうねりが引き起こされるのだ、と言う。




目巖

平樂縣有山臨水,巖間有兩目,如人眼,極大,瞳子白黑分明,名為「目巖」。


石室樂聲

始興機山東有兩巖,相向如鴟尾,石室數十所。經過皆聞有金石、絲竹之響。


貞女峽

中宿縣有貞女峽。峽西岸水際,有石,如人形,狀似女子,是曰「貞女」。父老相傳,秦世有女數人,取螺於此,遇風雨晝昏,而一女化為此石。


姑舒泉

臨城縣南四十里有蓋山,登百許步,有姑舒泉。昔有舒女,與父析薪於此泉,女因坐,牽挽不動。父還告家,比還,唯見清泉湛然。女母曰:「吾女好音樂。」乃作弦歌,泉湧洄流,有朱鯉一雙,今人作樂嬉戲,泉故湧出。


(捜神後記1-7)




うーんこの、展開もオチも投げっぱなしなこの感じ。いくらでも組み合わせてみたくなる魅力がありますが、その中で燦然と輝くのはやはり目巖。いや君どう考えてもただのシミュラクラ現象よね?

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