表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
揺訳 捜神後記/異苑  作者: ヘツポツ斎
捜神後記九巻 神仙や仙人

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/198

捜09-04 楊生狗

しん太和たいわ年間、すなわち廃帝はいてい海西公かいせいこうの時代。廣陵こうりょうの人、楊生ようせいが一頭のわんこを飼っていた。そのわんこをとても可愛がり、どこに行くにも連れて回っていた。


ある日楊生がへべれけに酔い、大澤だいたく近くの草むらに横たわり、動けなくなった。冬の夜、何かの弾みで火がついた。更にこの夜は風も強く、草むらの火はまたたく間に広がった。慌てふためいたわんこが懸命に吠えるも、楊生は起きない。見れば目の前には水の溜まった穴があった。わんこは穴で身を濡らすと楊生の周りの草を濡らした。何度も何度も濡らした。こうして楊生の周囲をまんべんなく濡らしたため、楊生は火に巻き込まれずに済んだ。やがて目覚めた楊生がまさに周囲を見回した。


このときの楊生のリアクションを敢えて略しているのがニクい。


後日のこと、楊生が暗がりの中をゆくと、今度は空の井戸に落ちてしまった。おっちょこちょいさんである。のこされたわんこはあえぐように鳴く。そこに偶然通りがかったひとが、わんこが井戸に向けて吠える、そのただならぬ様子を見て不思議がり、井戸を覗けば楊生がいた。


「どうか助けてはくださるまいか! このご恩には篤く報いる!」

「この犬をくれ。そうしたら助けよう」

「そいつは過去にもわしの命を救ってくれた、どうしてともにおらずにおれよう! 他のものであれば何一つとして惜しくはない!」

「そうか、では達者でな」


この人が立ち去ろうとしたのを見て、わんこは井戸を覗き込む。楊生はわんこの意図を察し、言う。


「……わかった、差し上げよう!」


こうしてその人は楊生を助け出したのち、わんこをつないで立ち去った。


のだが、その五日後、わんこは夜に逃げ帰ってきた。




晉太和中,廣陵人楊生,養一狗,甚愛憐之,行止與俱。後生飲酒醉,行大澤草中,眠不能動。時方冬月,燎原,風勢極盛。狗乃周章號喚,生醉不覺。前有一坑水,狗便走往水中,還,以身灑生左右草上。如此數次,周旋跬步,草皆沾濕,火至免焚。生醒,方見之。爾後,生因暗行,墮於空井中,狗呻吟徹曉。有人經過,怪此狗向井號,往視,見生。生曰:「君可出我,當有厚報。」人曰:「以此狗見與,便當相出。」生曰:「此狗曾活我已死,不得相與。餘即無惜。」人曰:「若爾,便不相出。」狗因下頭目井。生知其意,乃語路人云:「以狗相與。」人即出之,繫之而去。卻後五日,狗夜走歸。


(捜神後記9-4)




(もだもだ悶える音)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ