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揺訳 捜神後記/異苑  作者: ヘツポツ斎
捜神後記三巻 動物や変異した存在
18/198

捜03-03 錢孽、他二編

錢孽せんげつ


上虞じょうぐ魏全ぎぜんの家は縣の北部にある。そこにひとりの男が現れた。孝子服こうしふくを着、小汚い笠を被り、手巾で口を覆っている。男は言う。

「あなたの家の近くには錢一千萬や銅器が眠っている。柳の大樹の下にそれらは眠っている。ただし、この銭をあなた様が獲得すれば、この家に大きな不幸がやってこよう。なのであなた様のために回収に参った次第である」

そうして立ち去った。そこから三十年、男は二度と現れなかった。魏全も結局その千万銭を回収はしなかった。



蜜蜂螫賊みつばちぞくをかむ


元嘉げんか元年、建安郡けんあんぐんの山賊百人あまりが郡治所を襲撃。百姓の資產や子女をさらい、佛塔にまで立ち入り、さらなる財宝を求めようとした。

これより以前、仏具については別室に安置され、厳重な戸締まりがなされていた。賊が部屋の封印を破り侵入すると、室内より蜜蜂數萬匹が衣類篭からわっと現れ一斉に賊たちを刺した。群賊は前身に刺し傷を受け、その目まで刺されて視力を失い、宝を捨てて皆逃げ去った。



隕盜いんとう


蔡裔さいえいは勇ましく、その声は雷鳴がごとくである。あるとき二人の少年盗人が蔡裔の部屋に侵入した。蔡裔がベッドをぶっ叩きながら一喝したところ、二人とも死んだ。




錢孽

上虞魏全,家在縣北。忽有一人,著孝子服,皂笠,手巾掩口,來詣全家。語曰:「君有錢一千萬,銅器亦如之;大柳樹,錢在其下,取錢當得爾。於君家大不吉。僕尋為君取此。」便去。自爾出三十年,遂不復來。全家亦不取錢。


蜜蜂螫賊

元嘉元年,建安郡山賊百餘人破郡治,抄掠百姓資產、子女,遂入佛圖,搜掠財寶。先是,諸供養具別封置一室。賊破戶,忽有蜜蜂數萬頭,從衣簏出,同時噬螫。群賊身首腫痛,眼皆盲合,先諸所掠,皆棄而走。


隕盜

蔡裔有勇氣,聲若雷震。嘗有二偷兒入室,裔拊牀一呼,二盜俱隕。


(捜神後記3-3)




蔡裔

殷浩いんこうさんの配下将らしい。352年の北伐時、陣中にて死亡。その官位が散騎常侍さんきじょうじ兗州刺史えんしゅうしし高陽郷侯こうようきょうこうと言うことだから、相当武力に秀でていたのだろう。このひとは他にも蒙求

https://kakuyomu.jp/works/16816700428584992583/episodes/16817330651603244159

で、その声だけで天井に潜む三人の盗賊をいぶり出してる。どんだけ破壊的な怒鳴り声やねん。ブラストヴォイスかっつーの。

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