仕事の依頼
翔が働いてから一週間、今のところ店長は無茶な頼みごとをしてこない。
このまま妙な頼まれごとをされなければ良いなと思う。
ちなみに今日の仕事は由梨と一緒に売り物にする小物の作成だ。
今は二階でチャームにチェーンをつける作業をしている。
「やっと、できたぁ~」
「あっ、ホントだ、結構上手だね」
ふと翔が由梨ゆりの方をみて見るともういくつものチャームにチェーンがついていた。
「うっ、由梨ってつけるの早い……」
「従業員やって長いからね」
サイドテールの髪を揺らしてニコッと由梨が笑う
すごく可愛いのでいつもの翔ならどぎまぎするところだがそんな事も無く笑顔で返している。
(なんか、女の子なのにすっごく親しみやすいって言うか友達って感じだよなぁ)
「そういえば……翔くんってどこの高校なの?」
「え……」
翔の頭がごつんと音を立てて机に落ちる。
「えっ、どうしたの翔くん?」
「俺……大学生……」
「えっ!? 嘘……年上なの? うわ~同い年はあっても年上って言う発想は無かったな」
由梨のとどめの一撃により翔は完全にダウンした。
とそこへ店長がシフェルを連れてやってきた。
ちなみにシフェルは精霊らしい変わった服装ではなく、人間らしい今時の服装をしている。
シフェルが姿を隠すのを嫌うためせめて周りと浮きにくいようにとジーンズにジャケット
を着ているらしいがぶっちゃけあまり似合っていない。
「どうした? 主よ?」
「うわわ、なんかすごいくらい雰囲気だね、若干部屋が暗くなっているような気がするよ」
「あっ、店長と最強属性ぽい精霊さんだ」
シフェルが最強属性という言葉に反応する。
「なんだその最強属性は? 聞いた事が無い属性名だが」
「なんか最強ぽいから最強属性ですよ、属性名じゃありません」
「そうか……」
周りがにぎやかになってきた事によって翔の魂が戻ってきたらしいのろのろと顔をあげた。
「あっ、店長とシフェルだ……」
「あっ復活したんだ。じゃあお話があるのでよ~く聞きなさい」
「話?」
「そうそう、話だよ」
そういうと店長は翔に地図を手渡す。
「これは?」
「それを今話すところ分かった」
「あぁ……」
「えっとね,明日勇君と一緒にそこに言ってほしいの」
「なんで?」
なぜだろう翔の背中に冷や汗が流れだす。
「えっとぉ、心霊現象?」
「ムリィィィィ!!!!」
素早く立ち上がって素早く逃げ出そうとすると襟首を店長に引っ張られる。
「まぁまぁ、落ち着きなさい」
「落ち着けねぇよっ!」
翔にとって恐れていた事態がついに起きたのだ。
心霊現象に巻き込まれるなんて冗談ではない翔としてはとても落ちついられる状況ではない。
「大丈夫っ!!」
しかし、店長はなにを根拠に言っているのか親指を立ててグッドサインを出している。
「いや、どう考えても大丈夫じゃないでしょ、とり憑かれるなんて嫌だよ」
「大丈夫、心霊現象なんて大概思い込みだから適当にやったらお金くれるしそれに……
ある意味とり憑かれてるし大丈夫じゃない?」
「……なぜ、そこで私を見るのだ」
店長にチラッと見られたシフェルが不愉快そうに言う。
「まっ、なにを言っても明日絶対に言ってもらうから」
「うぅ……、分かったよ」
どうせ避けられない道だろうしと翔は諦めて頷いた。
うぅ、相変わらず文章グダグダだな……
それでも読んでくださった方ありがとうございます。