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声をかけ
「 この石に、語りかけたことはないか?」
「 っ、・・・・たしかに、 ・・・・何度も、ございます・・・」
男は赤い顔をうつむけると、ここを通るたびに、とその石をみやる。
「 ―― むかしから、道端のお地蔵様ですとか、観音さまには、かならず声をかけて通っているもので、 ・・・はじめてこの道標をみたときから、おなじように・・・。 それに、旅をなさる人もおなじようで、石の足元には旅の無事の『願掛け』で、櫛や根付なんかをおいてゆく方も、多くいらっしゃいます」
「そのようだな。 それのおかげで、すでに、ただの《石》では、なくなっておったのだ」
「 ―― そういうことが? おこるのでございますか?」




