前へ目次 次へ 38/50 青い火 じゃらり、と首にさげた数珠を手にまきつけると、なにやらきいたことがない経を、坊主はうたいはじめた。 じわり、と土にほられた《落款》から、青い火がたち、あっというまに真四角の中で燃え上がる。 「 っこ、れっは・・・うつくしい・・・ 」 男が、ほうと息をつくよう声をだし、立ち上がった。 ジョウカイは片手をあげて、男に動かぬようにしめしてから、戸口へむかう。 「またせたのう」 あけた戸のむこうには、やはり紙に画(えが)かれた女が立ち、さむうございます、とつぶやくように口にした。