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湯かげん
「・・・そうですか、 ならば ―― 湯をみてまいりましょう」
いいおき、土間をおりて風呂場をみにゆく。
土間をはさんだむこうに、板でわざわざ塀をつくり、引き戸までつけた風呂場がある。
足もとは杉板のスノコで、釜のかたちの風呂が、ひくいかまどの上にのっている。かまどの火口は風呂場の外側にある。
大瓶にくみおいた水もすぐそこにおいてあり、いつでも足せるようにしてある。
釜の蓋をはずし、すでに煮立っているそれに水を足してから手をいれた。
それでもまだ熱い。
だが、くべた薪はもうつきてゆくだけで、格子からのぞいた外の雪はまだ勢いもそのままだ。




