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えせぼうず
ジョウカイは、ただでさえ大柄なうえに、首にはおおげさな水晶の数珠をさげ、手にした杖には、さまざまな宗派の経典からぬきとった、お題目が彫られている。
いっけんしたところではわからないが、ようはエセ坊主だ。
エセ坊主ではあるが、どの宗派の経でもとなえられる。
そらをみあげ、背に負っていた笠をかぶることにした。おもったよりも、ふりがひどい。
まあ、寝なくとも、道はたどれる。からだは丈夫だし、目は、―― 獣のように夜でも利く。
なにしろ、血の半分は人ではない、妖怪とよばれる母の血だ。
そんな生まれなので、この世で坊主のようなことをして、人と妖物との間に起こるさまざまなことに首をつっこんだり、頼まれたりして過ごしている。
すきで選んだ道ではないが。




