表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/50

世間と噂


 ここまでしてもらったら、もう、本腰どころのはなしではない。


 『極める』という言葉も家業を継がないことの、いいのがれではなく、この仕事をするうえでの心のめざすものとなった。



 すると、両親が、何度も山へ通うよりも、いっそ山に住んでしまえとばかりに家を建ててくれた。


 実際は、家業をついだ弟をおもってのことかもしれない。



 なにしろ、根をつめて画をえがこうというわりには、兄は見た目もかわらず、きれいで整ったナリで早朝家をでて、すこしだけつかれ、だが満足をあらわした顔で毎日もどってくる。

 近所でも、あそこの長男は絵師のまねごとに浸かってあとを継ぐのを放り、毎日遊んでいるのもおなじだ、という噂もたっていた。



 弟も親も理解はしてくれたが、世間がわかってくれないとあらば、商いをしている家にとっては、あまりいいことはない。


 家のものたちはだまってうなずきあい、長男は山へ、体よく放り出されたという噂をのみこむことにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ