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「それにしても綺麗な紫色だな。俺は順番待ちだけど、何色のお茶が来るかなー」

「リュカ、お前はどうやって私の休憩時間を把握してるんだ? 毎日タイミング良すぎだ」

「盗聴してまして」

「は?」

「はは。それは冗談だけど。でもジュールも俺に会えて嬉しいだろ?」

「言ってろ」


苦笑してテーブルに片肘をついた。


「新しい茶葉を買いに行きたいな」

「ジュールが広めたから、この茶葉も欠品してるかもな?」

「私のせいか? 必要ないと言っても口にする前に徹底的に調べられたが」

「そのおかげで効果が認められて、これだけ広まることになったんだろ? 今頃嬉しい悲鳴をあげてるかもしれない」

「純粋に困ってるかもしれないだろ」

「皇帝陛下も難儀だな」

「調べられた分、茶葉も減ったしな」

「根にもってるー」


おどけたように言う、五大公爵家の一家ハールト家の嫡男でもある幼馴染をきつい視線で睨んだあと、ため息を一つこぼした。


広めたと言うより、広まってしまったが正しいんだけどな。








「ご来店ありがとうございます。お変わりなくて良かった」

「イザベル殿も元気そうで。頼んでいた茶葉を受け取りにきたよ」

「はい。ご用意しております!」


はじめて会った日から一ヶ月ちょっと。ジュールさんからも魔法鳥が飛んできて茶葉を頼まれて、用意出来たのが数日前。

それから日をあけずの来店で。

顔を見たいからと来店してくれたのが嬉しい。


「イザベル殿のハーブティーは凄く効く。おかげで疲れにくくなったし、体調が良いんだ」

「お役に立てたようで嬉しいです。森の魔女の秘密の配合なんですよ」

「だから良く効くのか」


柔らかく微笑むと、ジュールさんは数度瞬きした後、満面の笑みを浮かべた。


「あ、はい」


その笑顔が心に刺さって、思わず顔を伏せてしまった。

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