17話 勇者と遊者?
こんにちは!初めましての方は初めまして、巴ルトです!
またまた遅れてしまって申し訳ございません!
今回もちょっと長めなのでお許し下さい!
まだまだ上手くできていない所もありますが温かい目で見てくださると幸いです!
「場所はここで良いでしょう」
私はリアスさんの案内で街外れの森に来ていた。
ギルドに加入するための試験をするらしい。
「では少しルールを決めさせてもらいます。流石にすべて実践形式でナオさんのステータスだと一瞬で私が負けると思うので。良いですか?」
確かにリアスさんのステータスは見てないけど、あの化け物よりは弱そうだから、真正面から戦ったらすぐに私の勝ちで試験にならなさそうだから…ルールを聞いてから決めるか。
「ちなみにルールはどんな感じですか?」
「そうですね…まず私は防御と回避に全力を注ぐので、私に血を流させる位の攻撃を当てれたら合格とします。なので、全力で攻撃してきて下さい。」
なるほど…危険は無さそうだし、問題ないかな
「ならそのルールでやりましょう。」
「分かりました、では私が合図したら初めて下さい。」
そういうとリアスさんは大体25メートル位離れて、アイテムボックスから杖の様な物を取り出し、光魔法で信号弾の様な物を発射した。
(今のが合図かな、取り敢えず最初は様子見!)
まずはあんまり魔力が無いからファイアボールでも撃っておいて、とりあえず飛んでアサルトを叩き込む。
これで決まって欲しかったけど、ギルマスは土魔法で正面に防壁を作って防いできた。
正面が防がれるなら後ろ、という感じで次はファイアボール3つを囮に背後に本命のファイアボールを向かわせると、途中までは気付かれなかったが、囮が着弾したあたりで気付かれてしまい、避けられた。
(後ろが弱点って事がわかったけど、どうやって後ろを攻撃しようかな?魔力もあんまり無いからできるだけ早く終わらせたいんだけど…)
不意打ちはあんまり効かなさそうだし、せめてもう1人戦力がいればなぁ…
火力を出して防御を崩す事は出来るけど、なんせ魔力がないからなぁ…
とりあえずアサルトでずっと撃ってるけど弾も無限じゃないからなぁ…
とりあえず、何ができるか考えるか…
魔力はあんまり残ってないし、弾はまだあるけど決定打にかける…
ファイアナイフとスプリストーンは気付かれそうだし…
そういえば、ちょっと離れてるけどロボットをこの辺に隠してたな〜
でもロボットを魔力操作で動かす事は出来るけど、狙撃とかは流石に難しいからな…
ギルマスでも知らない場所から打たれたら回避もしづらいだろうけど。
どうしたものか…
そうだ!弾を誘導すれば良いんだ!
そのまま当てたらギルマスは確実に無事じゃすまないだろうし、ただ撃つだけだと当たらないだろうから、弾のスピードと軌道を操作すれば良いんだ!
でも魔力が持つか心配だけど、ちゃんと誘導出来れば確実に合格出来る。はず…
とにかく今はやるしか無い、こうやって考えている間もアサルトライフルで牽制し続けているせいで、弾が少し心許無くなって来ているのだ。
(ロボット起動!)
地面に寝かせるような感じで隠していたから、出来るだけ速く立ち上がらせる。
細かい制御が出来ないせいで姿勢が不安定になっているため、跪くような姿勢にし、スナイパーライフルを構えさせる。
このまま撃ってもいいが、ここでライフルを撃つ前に囮の攻撃を用意する。
まずはファイアボールをギルマスの左右に放ち、回避を制限した後に刀を取り出して、風魔法で加速して切りに行く。
そうすると、ギルマスは私が近づくと防壁を正面に出して防いできた。
ここでライフルを発射!
スピードを少し緩めて、軌道はギルマスの足を掠るぐらいに誘導して行って…
これで、ようやくおわり!
パシュッ!
ポーン
『経験値が一定に達しました。スキル「魔力追尾」を獲得しました』
そんな天の声(仮)の声を聞いてると、ギルマスは防壁をもとに戻し、話しかけてきた。
「おめでとうございます、ナオさん。これで試験は終わりです。」
そう言うギルマスの足はズボンと皮膚を切り裂かれて、血を流していた。
「やったぁ!」
これでようやく冒険者!
お金を稼いで、色んな物を買える!
「それにしても、最後の攻撃は何ですか?ナオさんが攻撃したようには思えないのですが。」
あー…どう説明しよっかなー…
「えっと…街に来る前にここの近くに無駄な荷物を隠しておいたんですよ、その中に武器があったので魔力操作で攻撃したって感じです。」
「なるほど、まぁ良いでしょう。では戻りましょうか」
「では、これがギルドカードです。」
「ありがとうございます。ところでギルドカードというのは?」
「ギルドカードと言うのは、ギルドの所属しているのか、ランクは何かなどを示すもので、冒険者の必需品です。ですが中にはカードが要らないほどその存在が有名な人もいるので、一概に全員が持っているとは言い切れませんが。」
なるほど、こっちの世界の身分証的な感じか。
「なるほど、ちなみに今の私のランクっていくらなんですか?」
「今のあなたのランクはそのカードにも書かれているように、Dランクです。もう少し上にしたかったのですが、加入してすぐに高ランクになるとあなたの実力を疑う者も出てくると思ったので。」
そう言われ、ギルドカードに視線を落とすと、確かにカードの左側にDと書かれていた。
「わかりました、では私は早速依頼を受けに行くのでこれで、ありがとうございました。」
「はい、今後の活躍を期待します。」
ガチャン
フゥ…緊張した〜
ギルドマスターってここのギルドの一番偉い人だし、緊張していつもと違う変な口調になってたけど、変な事言ってないよね?大丈夫だよね?
まぁとりあえず楽そうな討伐依頼でも少しこなして、美味しい物でも食べに行くかぁ。
「何か手頃な依頼はあるかな〜?」
そう言いながら私は壁に設置されたボード一面貼られた依頼の数々を見ていく。
「これなんか良さそうかな?」
私の目に留まったのは、はぐれワイバーンの討伐依頼だ。だが少し問題があって、それは依頼書が貼られている位置が高いという問題だ。ジャンプしたら届くかな…?
「よっ!んしょ!うにゃぁ!」
届かない…飛べば届くだろうけど、人が居るからな…
そんなことを考えていると、誰かが依頼書を取って話しかけてきた。
「あなたが取りたかった依頼書はこれ?」
話しかけてきたのは私と同じ猫科?の獣人の女の人で、髪などの毛色は私と正反対の白色だった。
「はい、ありがとうございます。助かりました!」
「そう、よかった!あなた、しっかりしてるね!」
「?ありがとうございます。」
「それにしても、難しい依頼に行くんだね。1人で大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
「本当に大丈夫?私が着いて行こうか?」
「大丈夫です。」
なんかこの人妙に絡んでくるな?
「まぁまぁ、そんなことを言わずに!こう見えても私は結構強いよ?」
あれだこの人、子供好きな人だ。
「大丈夫です、私もこう見えて結構強いので。」
「そうなの?まぁそこまで言うなら良いけど…何かあったら言ってね?」
「はい、わかりました。それでは。」
私はギルドを出て街の外を目指して歩き出す。
「さて、依頼受けたのは良いものの、今は魔力が少ないし。依頼書見ても期限はなさそうだし、今日はゆっくりしていくかぁ。」
少し予定を変更してゆっくりする事にした。
ゆっくり出来る場所を探したいので、とりあえず近くの路地に入って猫になる。
(さて、どこかゆっくりできそうな場所はないかな〜)
よいしょ、こいしょ、っと屋根の上も良いものだね。
ちょっとここで夕日でも見ていくか。
まだ夕方とは言えないが少し日が傾いており、ちょっとしたら夕陽が見れるだろう。
(ちょっとゆっくりしていくか〜)
そう思い、体を丸めて少しゆっくりしようかと思ったら、少し離れた街の通りの方が騒がしくなってきていた。
「勇者様が帰ってきたぞ!」
「本当だ!」
「勇者様だ!」
(おーあれがおじいさんが言ってた勇者か。…なんか弱そう?鑑定してみるか。)
《名前》ロレン・アークナス
《ステータス》
攻撃力98 HP300 防御力323 魔力0
《スキル》身体強化Lv1 指揮Lv 1
《称号》勇者 王子
えっ、なんか…予想よりも弱くない?
称号に王子とか書いてあるし…もしかしてコネ入社ならぬコネ勇者みたいな感じ?
多分他のパーティーメンバーの力で動いて、立場だけ取って遊んでたんだろうな〜
魔力に関しては0だし…
まぁそんなことはどうでも良いか。
そんなことを考えていると、勇者御一行の近くで叫び声が上がった。
「魔物だ!魔物がいるぞ!」
はい?こんな所に魔物なんて…んーあれは多分、猫化ってやつを使ったカイセイさんだよね?
まさか、何にも知らない一般市民に勘違いされてる?
でも私は何も出来ないから、カイセイさんも自分でなんとか出来るだろうし、私はここから様子見だけしようかな。
お!勇者まで向かって言ってるじゃん。一応あの弱さでも勇者なのかな?
カイセイさんがなんか剣に捕まえられてる?カイセイさんはなんか雷魔法を使ってるし。
おぉ、勇者とカイセイさんと言い争ってる。
と思ったらさっきの雷魔法が落ちた。
雷魔法で、勇者達を囲んでいた兵士は全員倒れ、これで勇者御一行だけ。
これで勇者…というのが何か嫌になって来たから何だっけ、ロレンと呼ぼう。
そのロレンがどう動くかと思ったら、特になにもせずに、ただ座って偉そうにしているだけ。
パーティーメンバーの戦士と魔法使いが戦っている。
戦士は突っ込んでカイセイさんに切り刻まれて…魔法使いは一瞬躊躇したけど容赦無いね、水魔法を撃ち込んでる。
おっ、今度はカイセイさんの反撃のターン。
あれは…火魔法かな?いや…何かもっとヤバイ奴?
あれかな、火魔法の進化系の魔法かな?
というか、あの魔法使い、まだ17、8歳の子供じゃん!
まぁ私も人の事言えないけど…でもやばくない?
年齢どうこうより、あの魔法を耐えれる?
流石にカイセイさんもまともに当てたりしないだろうけど…
あっ、魔法使いが火に囲まれてる…けどちゃんと魔法使いの事を保護してるか。
あっ、火が消えた…っと思ったら魔法使いが焦げて出てきて…ぶっ倒れた!
けど、まだ意識はありそうだし、バレない程度に治癒魔法でもかけておくか。
その頃カイセイさんは…あっ、ロレンの方に行って、首に刀を当ててる!?
マジでソイツ殺るの!?クズっぽいけど一応王子みたいだよ!?
あ、流石に殺らないか…びっくりした…
けど、ソイツらどうするんだろう?
兵士達はだんだん目が覚めて来てるみたいだけど、問題は王子であるロレンをどうするかだと思うんだけど…
お、刀を収納したってことは何か方法思い付いたのかな?
ってあいつ…ロレンか、いつの間に背後に回ってたんだ?
そんなステータスじゃ何も出来ないだろうに、不意打ちでもする気か?
いつの間にか背後に回ったロレンはおもむろにショットガンのような武器を取り出すと、カイセイさんに向けて弾を放った。
何あの武器!?あれかな、カイセイさんが使ってた魔法を飛ばす銃のショットガンバージョン的な感じかな?
それで、そのショットガンらしき物を喰らったカイセイさんは…殆ど避けてるじゃん。すごいな。
何ならもうカウンター喰らわせてるし。っと思ったら消えた!?
何かカイセイさんと不審人物が消えたんだけど!?
多分ワープ的な魔法を使ったんだろうね。
行き先は…多分王都だと思うけど…王都ってどっち?
私、王都の位置知らないんだけど…もっと地図の広範囲見ておけば良かった…
まぁ、悔んでも仕方ないし、誰かに聞くか!
そういえばさっきの白猫?のお姉ちゃん(仮)に聞くか。
多分ギルドに居るだろうし。
さて、そうなれば膳は急げってことで屋根から降りて、ギルドにレッツゴー。
さて白猫のお姉ちゃんは居るかな〜?
あ、居た!
「白猫のお姉ちゃん!」
「あっ!さっきの黒猫ちゃん!どうしたの?何かあったの?」
「この国の王都ってどっちの方向に在りますか?」
「え?方向的にはあっちだけど、そっちの方には森があるから迂回しないと…」
「ありがとうございますました!」
私は王都の方向だけ聞いて、すぐにギルドの外に向かった…
こんにちは、前書きぶりの巴ルトです!
今回はいかがだったでしょうか?
ギルドの入団試験を受けたあとはカイセイさんの戦闘を観戦する形で見ていましたが、この後どんな展開になるのでしょうか?
上手くできていない所もありますが、これからも不定期連載していくのでできればときどき覗きに来てくれると嬉しいです!
では、また次回!