僕のお隣さんは見知らぬ女性だった。
僕は霊感がないのだと思っていたけど?
直ぐに【霊】を連れて帰って来る体質らしい。
“僕のお隣さんは見知らぬ女性だった。”
僕の隣には、常に見知らぬ女性が憑いているらしいのだ。
でも? 僕に憑りついている女性は凄くイイ人らしい。
僕を見えない力で助けてくれる。
何回か交通事故に巻き込まれそうになった時も、僕は無傷で済んだ。
全て僕に憑りついている女性の霊が助けてくれたらしい。
霊感のない僕は、物凄く霊感の強い知り合いの男性から訊いて分かった。
彼は僕に憑りついている女性の顔もはっきり見えているという。
『福之助君、君に憑りついている女性の霊はとてもキレイな女性だね。』
『えぇ!? そうなんですか?』
『大丈夫! とっても穏やかな女性だから、心配する事はないよ。』
『それなら良かった。』
『ただ、“女性を怒らせないようにしてね。”』
『えぇ!? どういう事ですか?』
『霊というものは、何かしらこの世に未練が残っているからこの世に留まって
るんだよ! 彼女も誰かに恨みがあるのかもしれない!』
『・・・う、恨みですか?』
『大丈夫! 怒らせなかったら何もしてこないから。』
『・・・は、はい、』
どうやら、霊感の強い男性に訊いたら?
僕の憑りついている女性を怒らせない限りは普段の生活に
支障がないとの事だった。
それどころか、僕を危険な目から助けてくれる。
この女性はイイ人なんだと僕は思っている。
しかも? かなりの美人さんらしい!
僕も霊感があれば、見てみたいと思うのだがそれは無理な話だ。
僕には全く霊感がないのだから。
僕の家系に霊感が強い人はいない。
元々僕の家系は神経の図太い人間ばかりだし、霊に全く興味がないのだ。
霊が見えていようが気にもしていない人達が僕の家系なんだよ。
僕自身も神経は図太い方だと思っている。
あんまりストレスを感じないし、誰に何を言われてもあまり気にしない。
だから霊が見えないのだろう。
繊細な人ほど霊が見えやすいのだと思うから......。
・・・でも? 僕の友達に少し霊感がある奴がいてそいつが僕に
憑りついている女性にちょっかいをかけるところからおかしく
なっていった。
『なあ、福之助! お前に憑りついているその霊を除霊しないか?』
『なんでだよ!』
『俺ははっきり見えてるわけじゃないけど? 影のようにお前に憑りつ
いているのは見えるんだ! きっとこの霊だって除霊してほしいに決ま
ってるじゃないか! 先ずは“塩”を持ってくるわ!』
『やめろって! そんな事しなくていいんだよ!』
『お前だって、霊が自分に憑りついてるのは嫌なんだろう? それなら
絶対に除霊するべきだ!』
『・・・ぼ、僕はそんな事思ってないんだ、』
『それこそ、なんでだよ! 憑りつかれてんだぞ!』
『・・・彼女はいい霊なんだよ、それに美人らしいし。』
『お前、バカか! 憑りつかれてるのにイイ人も美人もあるか!』
『・・・でも、』
『塩だ! 塩をまくぞ!』
・・・これが! 僕に憑りついている彼女を怒らせてしまった。
彼女は僕の友達に憑りついて、地獄を見せる。
地獄を見せられた友達は一瞬で頭がおかしくなり“精神病”になってしまった。
今は、精神病院に入っている。
だから彼女を怒らせるなと言ったのに、僕の言う事を聞かなかった友達は
完全に精神を病んでしまった。
だが今でも僕に憑りついている女性は僕のお隣さんだ。
何回も言うけど? 彼女は普段はとっても穏やかでイイ人だから。
今日も僕の災難を彼女が助けてくれる。
【キャー――――――!!! ごめんなさい、植木鉢が落ちてしまいました。】
一瞬、僕は後ろに体を引っ張られて間一髪のところで5階から落ちてきた
植木鉢に当たる事を回避する。
『ありがとう、僕のお隣さん。』
最後までお読みいただきありがとうございます。




