ぬいぐるみの人物
軽快な音楽と、共にぬいぐるみは歩いてくる。
中にはどんな人がいるのだろうか?
ーーさぁ、僕と遊ばない?
明るい声で、一人でいる子供たちを連れていっている。
着ぐるみはパンダなのにも関わらず、その姿はまるで、ピエロだった。
ーーこの人物は善か、悪か?
ピエロの後に夕夏は歩いていく。
その姿が映像にハッキリと残されていた。
「お父さん、お母さんーー良かったですね。もー居場所はわかりましたから、お迎えに行きましょう」
「ーー居場所が分かったって??」
不思議そうな顔をしている両親に、のちほど、事情を説明する事にした。
「とにかく、夕夏ちゃんを先に迎えに行きましょう」
若い女の人は言った。
女の従業員の背中を追いかけていくと、5分くらい経っただろうか?
「広場」と書かれた小さなスペースに五人くらいの子供たちが遊んでいた。
「ここに夕夏ちゃんがいるはずです」
従業員が言うよりも早く、両親は夕夏を見つけ、駆け寄っていた。
「夕夏、無事で良かったーー」
両親の目から、涙が溢れ出す。
「それでここは?」
母が聞いた。
「あ、そーでしたね。この遊園地では、一人で迷っているような子を、着ぐるみを着た人物が連れてきて、ここで保護しているんです」
「じゃ、パンダの彼は?」
「うちのスタッフです。子供が被害に遭う時代ですから、今はこーゆーサービスをしているんです」
「そうだったんですか?お気遣いありがとうございます」
自分たち一家の為だけに、そーゆーサービスがある訳ではないのだろうが、この時ばかりは自分たち一家の為だけに、そのサービスをしてくれているように思えた。
「ありがとうございました」
深々と頭を下げた。




