遊園地
夕夏たち親子を乗せた車は、ものすごい渋滞にはまっていた。
祐司は車が進まない事にイライラを募らせている。
普段よりもタバコの本数が増えているんだろう。窓が空いているのに、車内に充満する煙は、まるで雲の様に見えた。
「ーーあぁ、進まねー!!」
祐司は新しいタバコの封を開ける。
「パパ、怒ってるね!」
「ーーそうね」
夕夏は慣れっこで、それを見てにこやかに笑った。
子供だから許されるのかも知れなかった。
静香も笑っている。
目的地に到着したその時から、迷わないようにと母と手を繋いでいた。
「夕夏、トイレは?」
「ううん。まだ大丈夫」
「じゃ、ちょっと待ってて!お母さん、ちょっとトイレ行ってくる」
「うん。わかった」
夕夏は笑った。
トイレの目の前で待っていると、夕夏は不意に手を握られ、振り返る。
大きな手だ。
ーーなんだろう?この不気味な生き物は??
この遊園地のマスコットキャラクターだろうか?
クマとパンダが混じったような、不思議な顔をしていた。
「ーー僕と一緒に遊ぼう」
見覚えのないキャラクターは言った。
可愛くはない。でも、そんなキャラクターが一瞬だけ可愛く見える。
布のおかげだろうか?
その手の感触も、柔らかいものにも思える。
不思議な気分。
とっても不思議な安心感。
夕夏はフラフラとそのキャラクターについていく。




