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願い  作者: みゆたろ
58/75

悪夢

うーん。

うーん。

体が動かない。

何でだろう?ーー体の自由が聞かない。


黒い影が言った。


「ーー重いだろう。苦しいだろう」

「クゥーン」


冷たい眼差しを感じる。


「人間と同じ言葉をしゃべれるなんてーーあんな子仲間じゃない」


そういい放つ黒い影。

顔のない影。

だが、遠い昔、そんな事を言われた仲間がいた。黒い毛並みの薄汚れた犬だった。


ーーはっ。


目を開けると真っ暗な闇が広がっている。

あたりを見渡す。


「ーー重いよ。夕夏」


柴ちゃんは精一杯の力で、夕夏を押し戻そうとするが、夕夏が重たくて動かない。


「いたっ」

夕夏が飛び起きる。


思わず、爪を立ててしまっていた様だ。


「ーーごめん。俺、、重たくてつい」

まるで言い訳でもしているように、そう言っていた。

事実なのに言い訳じみて聞こえるのはどーしたものか?


「ーー私の寝相が悪かった?」

夕夏は笑った。


「ーー怒ってる?」

柴ちゃんが不安そうな顔で聞いた。

「大丈夫だよ。私はそんな事で怒らないよーーそれよりごめんね。重たかったね」

柴ちゃんの頭を撫でる。


ーーホントに怒ってないかな?夕夏は優しいから。


心配だった。

夕夏が無理をしていないか?

心を隠して笑っていないか?


夕夏の腕から、赤い液体が流れ落ちた。

それが何なのか?分からない。


「ーーそれ?」


柴ちゃんが心配そうにそれを舐める。

ペロペロペロペロ。

なんかとても変な味がした。


「大丈夫。悪いものが出ただけだから」

夕夏がいう。

「ーークゥーン」

申し訳なさそうにいつまでも、流れ出た赤いものをペロペロとなめ続けている。

でも、それは止まらなかった。



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