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仲直り
窓の外は雨が降り始めた。
急な雨だった。
毎日が慌ただしい。
「クゥーン」
翔大はもう一回鳴いた。
すごく寂しげな、、蚊の鳴くような声で。
「まず、私と同じ言葉、、話せるよね?」
翔大に聞いた。
「ーー話せるよ?」
少しぎこちない話し方だ。
柴ちゃんに視線を映して、私は言う。
「柴ちゃんも、私と同じように話してね」
「わかってる」
深呼吸をしてから、私は言った。
「どうして喧嘩になったの?」
「翔大がいきなり言ってくるんだ。夕夏の膝の上を取りすぎだってーーいつも座ってるって、、」
「座りたかったの?」
夕夏が聞く。
「ーーうん」
声がか細い。
「そっか、、そーゆー時はね。どいてって言えばいいんだよ?」
「どいてって言える?」
「だってさ、、どいてって言ったら噛みついてきそうだから」
遠慮しなくていいんだよ?ーー交代で座る事にしよっか」
「ーーうん」
「じゃ、これでいいかな?喧嘩は終わりに出来る?」
柴ちゃんと翔大の声が重なる。
「うん」
「よし、じゃ一緒に寝よう」
柴ちゃんは私の布団の右側で、寝る姿勢を整えた。
そして、翔大は私の布団の左側で、寝る体制になって目を閉じた。




