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願い  作者: みゆたろ
56/75

親子喧嘩

こちらの問いかけに答えないでため息を吐いている。


ーーまた、か。

柴ちゃんのぼやきを聞いて、直感的に私は思った。

責任感のない無責任な大人の代表だとーー。


トントントン。

少し早足で階段をかけ降りていく。


「祐司さんーーちょっと」

私は父であるはずの男を呼んだ。

「何?」

ーー白々しい。

「また柴ちゃんを傷つけたでしょ?」

「なんだって?」

不思議そうに言っている。

「柴ちゃんがね、すごく悩んでるみたいなんだからーー自暴自棄になっちゃってんの。他に何か理由があるとは思えないけど、、?もしかして、お母さんが言ってる?」

キッチンに入り、調理中の母に声をかける。

「ーーねぇ、お母さん」

「なに?」

「また柴ちゃんに何か言った?」

「別に何も言ってないわよーーそもそも、柴ちゃんはこの部屋に来ないもの」

嘘をついている様には見えなかった。


仕方ない。

自分の部屋に戻るため、階段を登っていく。


「ーーはぁ」

深いため息。

「柴ちゃん、本当にどうしたの?また何か言われた?」

「うん。ーー翔大に」


え??

翔大?ーーはぁ?

単なる親子喧嘩??


「聞いてくれよ」

柴ちゃんが泣きつく。


「翔大が言うんだ。俺が夕夏の膝を取りすぎだってーーそんな娘とないよなー?」


くだらない。

そんな事で??

でも、少し複雑な気持ちになった。

知らないところで、私が喧嘩の原因になってしまっている。


「ーーうん。そうだね」


「翔大も含めて話そうかーー翔大はどこ?」


小さな足音がする。

トコトコトコ。

翔大は「クゥーン」と鳴いた。


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