親子喧嘩
こちらの問いかけに答えないでため息を吐いている。
ーーまた、か。
柴ちゃんのぼやきを聞いて、直感的に私は思った。
責任感のない無責任な大人の代表だとーー。
トントントン。
少し早足で階段をかけ降りていく。
「祐司さんーーちょっと」
私は父であるはずの男を呼んだ。
「何?」
ーー白々しい。
「また柴ちゃんを傷つけたでしょ?」
「なんだって?」
不思議そうに言っている。
「柴ちゃんがね、すごく悩んでるみたいなんだからーー自暴自棄になっちゃってんの。他に何か理由があるとは思えないけど、、?もしかして、お母さんが言ってる?」
キッチンに入り、調理中の母に声をかける。
「ーーねぇ、お母さん」
「なに?」
「また柴ちゃんに何か言った?」
「別に何も言ってないわよーーそもそも、柴ちゃんはこの部屋に来ないもの」
嘘をついている様には見えなかった。
仕方ない。
自分の部屋に戻るため、階段を登っていく。
「ーーはぁ」
深いため息。
「柴ちゃん、本当にどうしたの?また何か言われた?」
「うん。ーー翔大に」
え??
翔大?ーーはぁ?
単なる親子喧嘩??
「聞いてくれよ」
柴ちゃんが泣きつく。
「翔大が言うんだ。俺が夕夏の膝を取りすぎだってーーそんな娘とないよなー?」
くだらない。
そんな事で??
でも、少し複雑な気持ちになった。
知らないところで、私が喧嘩の原因になってしまっている。
「ーーうん。そうだね」
「翔大も含めて話そうかーー翔大はどこ?」
小さな足音がする。
トコトコトコ。
翔大は「クゥーン」と鳴いた。




