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柴ちゃんの思い
「ーー俺のこと、、」
申し訳なさそうに柴ちゃんが言う。
「ん?どーしたの?」
「俺の事、捨てた方がいいって話になってるんじゃないの?」
微妙にその空気を察しているようだ。
「ーー大丈夫。捨てたりしないから」
「いいよ。捨ててもーー確かに俺、今回何の役にも立てなかったし、どう対処するべきなのかも分からなかった。だからーー」
「ーーそんなに思い詰めないで。柴ちゃんがいたから、私はケガ一つしないでいられたのよ」
夕夏がそう言うと、本当にそうだったように思える。
彼女は優しいーー。
どんな時でも俺を見捨てない。
だんだんと、夕夏という人物に、俺は深い興味を示していた。
人間がこの思いを感じたのなら、どう表現するだろうか?
愛?
それとも恋?
住む世界が違うし、立場も違う。
人間と動物。
人と犬。
だから、愛とか恋って言葉では表現する事が出来ないだろう。
それでも俺はーー。




