準備
「ーーまだ待ってろ!誰かが出てきたら攻撃だ」
黒い毛並みのリーダー件が声を発するのと同時に、12~3匹の野良犬達が、自宅を取り囲んでいる。
玄関のドアが開く。
「行ってきまーす」
柴ちゃん親子と別々になってしまった日が誕生日だったなんてーー。
私は昨日泣きすぎたらしい。
朝から目が腫れぼったくなっているだろう。
「ーー囲めー!」
瞬時に夕夏は犬たちに囲まれた。
「もしかして、、柴ちゃんと同じ所にいた子達だよね?ーー通りすがりにだけど、何回か見た事ある」
「ーーそうだ」
黒い毛並みのリーダーは頷く。
「うちのお母さんね、、柴ちゃんに助けられたんだーーそれなのに」
夕夏はうつむく。
ーー何だろ?これ。
雨は降っていない。けど、、地面が何かの滴で濡れていくのを見た。
雨?ーー空を見上げる。いや、違う。
ーーこの雫は何なんだ?
「おい、そこの女の子。ーーお前はどーやって地面を濡らしてるんだ?」
彼女を見つめる。
ーーはっ。
気づいた時には既に時遅しだが、思わず彼女と同じような言葉で、聞いてしまった。
フフフッ。
少女は笑った。
「ーーあなたたちも、喋れるのね?」
自然と受け入れている少女の姿を見て、人の言葉で答える。
「うん」
「ーーそれなら、柴ちゃんに聞いて見て欲しいの」
「聞く?ーー何を?」
「捨てられて、家族皆で過ごせるのと、バラバラになって生きていくのとどっちがいいのか?ーー聞いて欲しいの」
「ーーあぁ、わかった」
黒い毛並みのリーダーは、うなづいた。
「ありがとう。ちょっと待ってて」
女の子は室内に入っていった。
数分後。
柴ちゃんと呼ばれている犬を連れて戻ってくる。
「この子なの」
頭を撫でて、優しい目で見ている。
この子は本当に犬好きなんだ。
ーーいや、ニンゲンハテキダ。
味方のはずがない。
シンジテハイケナイ。




