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願い  作者: みゆたろ
39/75

柴ちゃんの家族

「ーー夕夏、ちょっと来なさい」

静香に呼ばれている。

「ーーはーい。わかったー」

明るくそう答えると、母の元にかけていく。


「ーー座りなさい」


母が言った。

いつもと何か違う。

何かが違っている。だけど、それが何かはわからなかった。

私は椅子に腰をおろす。


「どうしたの?お母さん、、」


「柴ちゃんに子供が出来たわね?五匹も?」


「なんでそれを?」


「祐司から聞いたのよ。その件で話があるのーー落ち着いて、よく聞いて」


「はい」


「柴ちゃんの子供だから、カワイーのは認めるわ。でもね、あんなに多くは飼えないのーーだから、何とかしなきゃいけない」


ーー捨てろ、と言うことなのか。


遠回しではあるが、母の口ぶりからそう聞こえた。

ーーまだもう少しの間はいてもしょうがないけど、、。


母の言葉が止まった。


スタスタスタ。

四本足で、柴ちゃんが歩いてくる。

ワンッ。ワンワン。

その声は怒っている様で、声のトーンがいつもより低い。


警戒心むき出しにして、柴ちゃんが訴える。

目で、声で、表情で。

しかしこんな状況になっているにも関わらず、以前のように人の言葉では話さなくなった。

以前ならこんな話をしていたら、人間の言葉で、「ウソつき」だの何だのと言っていたはずだ。しかし、、今はごくごく普通の様に、ワンワン語で吠えている。


けたたましく耳に残る声。

柴ちゃんの哀愁漂う背中。

私はもうどーにもならない事に頭を抱えた。

事実をねじ曲げられはしないのだから。




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