予想外の真相
「ーー久しぶりだったな、、」
柴ちゃんが人の言葉で話し出す。
「今の老人の事、知ってるの?」
静香が聞いた。
「あの婆さんは先月病気で亡くなったんだ」
柴ちゃんが語ったのは、衝撃の事実だった。
静香が母だと思っていた人は、本当は父が再婚した相手だったのだと言う。
静香は養子だったのだとーー。
そして本当の母親、それが今目の前にいた老人なんだとーー。
これまでそんな風に考えた事もなかった。
しかし、言われてみれば、どこか他人行儀な毎日を送っていた様にも思える。
父は母(義理の)は、もうなくなっているから、確認する事は出来ないだろう。しかし、うまく隠し通してくれたものだと思う。
義理の母に育てられたのだと言う事を、この年になって、聞かされても結構なショックを受けた。
こんな事はちょっとやそっとじゃ受け止められないだろう。
静香はフラッと倒れた。
夢を見た。
「ーーおい、起きろよ!!」
男の物の声。
祐司ではなさそうだ。
目の前に広がっている光景は、遠い昔に暮らしていたオンボロアパートの二階だ。
一階には口煩い老人が住んでいて、そのアパートの横には墓地があった。
真夜中に起きていると、不気味で仕方なく思えて、私は早く眠る日々が続いていた。
夢の中の家族は、父と義理の母。そして私。
まだ何もわからない私は、楽しそうに父や母にまとわりついている。
父も義理の母も、嫌そうな顔1つしないで、私と遊んでくれている。
血の繋がらない私をーー。
断片的な記憶が作り出した夢なのだろう。
場面がコロコロと変わっていく。
食後、三人でトランプをやって遊んだり、カルタ取りをしたり、私は毎日愛されていた。
本当の親じゃないなんて、1カケラも感じないくらいにーー。
「ーーおい、起きろ!!」
「お母さん起きて」
「静香、起きろってーー」
いろんな声が、幸せな夢の邪魔をしている。
まぶたが、重たい。
しょうがなく、私は目を開けた。




