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大切な話
「ーーしゃべる犬なんて」
母はそう言った。
「ーー本物がわからない女だな」
思わず、と言った様子で、話を聞いていた柴ちゃんが口を挟んだ。
「何ですってー?」
まるで人と喧嘩でもする様な口調だ。
相手は犬なのにーー。
「ーーおばさん、あんたは何を見てるんだ?」
犬の柴ちゃんが聞く。
「ーー何をって?」
「外面だけを見てるから、「犬」っていう外観で、言葉を喋ると気味が悪いんだろう?」
悟るようにして犬が言った。
生意気に思えた。
変わったものを受け入れない。
人間にそれがあるように、動物に個性があってもいいんじゃないか?
「ーー俺だって、昔から話が出来た訳じゃない。つい、二週間くらい前から急に話せるようになったんだ。どーしてか、わからないけど、、」
寂しそうに柴ちゃんが鳴いた。
さっきまで人の言葉で話してたのに、今度は犬語だった、、。
「そーだよ。柴ちゃんが可哀想だよ。お母さんを助けてくれた犬なのにーー」
黙っていた祐司が口を開いた。
「ーー俺はこの子を飼うべきだと思う」
「どうしてそう思うの?」
静香は祐司に聞いた。




