決断
「夕夏ーーちょっとこっちに来て」
母は私を呼び、自らの寝室に招いた。
「何?」
もう夜の八時を過ぎているのに、母の寝室に招かれるとは、一体何事だろう?
「あのね、、助けてくれた犬だから、飼ってたけどーー捨ててきて」
突然の母の一言に私は驚いた。
ーー捨てる?何を??これまでうまくやってたのに??
「いきなり捨てたりしたら、可哀想だよ。なんで捨てなきゃ行けないの?」
「あんな風にしゃべる犬なんか、、気持ち悪いから」
ーーそんな理由で??
「分かった」
小さく頭をさげて、私は自分の寝室に戻った。
そこには、柴ちゃんがいた。
ーークゥーン。
寂しそうな声で鳴いた。
「話せるんでしょ?話していいよ?」
そう言って、私は柴ちゃんの頭を撫でる。
「優しいな、、普通なら気持ち悪がって近づかないのにーー」
「ところで、どうして話せるの?」
「2日くらい前だったか?カミナリがなってた日ーーあれからなんだ。俺に落ちたわけでもないし、何があった訳でもないんだけど、、どーしてか?わからないけど、、いつの間にか話せる様になってたんだ」
「そうなんだ」
「言葉があるっていいな!」
柴ちゃんが語る。
「うん。色んな言葉を話せると色んな思いが伝えられるよ」
夕夏は犬に言った。
「そうだな、、」
柴ちゃんと話をしていると、ドア越しに母の声が聞こえた。
「夕夏、いつまで起きてんの?」と。
ーーあはは。怒られちゃったね。じゃ寝ようか?
ーーワンッ。




