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願い  作者: みゆたろ
20/75

怒り

「ーーさっきから言わせて置けば、あんた一体何なのよ?」

母は柴ちゃんの首もとを掴んだ。

怒る時の体勢だ。


「ーーおう、帰ったのか。帰ったらただいまくらい言えよ」

柴ちゃんが言う。

「あ、ただいま」

思わず、と言った様子で、母が言った。


「自分の気持ちにも気づかないなんて情けないな、、」

柴ちゃんが呟く。

「何よ、私の気持ちってーー」

蚊のなく様な微かな声で、母が言った。

「静香って言ったか、、あんたは片桐祐司の事が好きなんだ」

「すっ、好きじゃないわよ」

「否定し続けて、何か実るのか?」

柴ちゃんに聞かれ、ハッと我に帰る。


ーー好き?祐司の事を?


ーー誰が?


グルグルとその言葉が回っている。

思考が停止する。


ーーわからない。何が一体正しいのか?でも、ただの犬にそんな事言われたくない。

母は寝室に入っていった。

私もその後に続く。

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