表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願い  作者: みゆたろ
19/75

しゃべる犬ーー芝ちゃん

学校を終え、夕夏が家に到着すると同時に、車のエンジン音が聞こえてきた。

母の車だろう。


玄関のカギを開けようと、ドアノブに手をかけた途端。

室内から声が聞こえてくる。


「あいつら、みてらんねーよ」と。

その声は、男のものだろうか?

低くガッシリとした声だ。


車の中から母が降りてくる。

玄関のカギを開けられずにいる私に駆け寄り、


「どうしたの?カギも開けないでぼんやりして??」


「部屋の中から声がするの」


母も扉に耳をくっつける。

「ーー頑固な女だよな、、静香ってやつ。もーいい加減ヨリを戻せばいいのによ」

そんな声がしている。


起こっているのだろう。母は勢い良くそのドアを開けた。


「まったく何のために吠えないでいてやったと思ってるんだよ?」

その声の主を見る。

驚いて、目をパチパチしている。

それもそうだろう。さっきまでの声は犬の柴ちゃんだったのだからーー。


私たちが見ている事に気づいていないのだろうか?

柴ちゃんは喋り続ける。


「静香って言ったか?あの女わかってないよな。自分の気持ちーー」


その表情は、まるで人間の様に表情豊かだ。


「そろそろ気づかせないと後悔するだろうな」


黙っていた母が、急に言葉を発した。


「さっきから言わせて置けばーー」


母は怒っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ