3.食い違い
「じゃあやるぞ?本当だったら高い金払ってもらわにゃいけないんだからな!」
「はい!ありがとうございます!」
「「「ありがとうございます!」」」
「っておい!なんでお前らもいるんだ!まぁいい。やるぞ?」
なぜか団員の方々が集まってきましたが、リカルドさんは演奏を始めました。
彼の演奏は音楽と魔法が融合した異世界らしい幻想的なものでした。
天使が舞い、花が舞い、春風に包まれるような、そんな演奏でした。
「……っふぅ。どうだ!」
「……………」
「お?どうした?言葉も出ないだろ?」
「……………」
「……なぁ?どうしたんだよ?」
「……………」
「おい!頼むから、なんか言え!」
「っは!はい!素晴らしかったです!演奏技術もさることながら、あれは魔法でしょうか?まぁ、いいですが、映像があることにより更に演奏が幻想的になっていました!」
「そうだろうそうだろう!」
「はい!あんなに深く感じたのは久しぶりです!」
ざわっっ
「おいっ!なんか、怪しい感じになるだろう!?……おい!お前ら!俺に疑いの目をむけるんじゃねぇ!俺はロリコンじゃねぇ!」
「どうしたんですか?」
「お前も他人事じゃねぇよ!?」
「はぁ。それよりも、早く!私に!あなたの全てを!教えて下さい!」
ざわっっ!!
「おぃーーー!最早わざとだよな!?……お前ら!俺を汚物を見るような目で見るな!頼むから!………サラーー!どーしてくれるんだテメェ!」
「何がですか?取り敢えず早くやりたいです!やらしてください!」
ざわざわっっ!
「もーーーーやめてくれぇ!」
「どうしたのですか?」
「団長!サラが!サラがぁー!」
「落ち着きなさい。何があったのですか?」
かくかくしかじか説明して、やっと自体は収まったようです。
何かあったのでしょうか?
「ふぅ。サラには常識から教えたほうがいいかもしれませんね。」
なぜでしょう?
「まぁ、取り敢えず、バイオリーンを弾いてみますか?」
「はい!」
「持ち方は分かりますか?」
「ええ。似たような楽器を知っていました。」
「そうなのですか。それでは、練習用のこれを使いなさい。」
「ありがとうございます!」
やはり、バイオリンです。名前が若干違うけれど、木の色が白だけれど、バイオリンだ!3日ぶりだ!
……あれ?なんだか、弾き方や、魔力の使い方や、新しい曲などが頭の中に流れ込んできます。
これが音楽家の力なのでしょうか?素晴らしいですね!
……あぁ、なんでしょうか?この気持ちは。
そうです。リカルドさんがやっていた曲を私の気持ちに合わせて少し編曲してしまいましょう。この気持ちを表現しましょう!
天使が舞い、花びらが舞い、天女が歌い、虹がかかる。
春よりももっと暖かく、風よりも優しく流れる旋律。
あぁ。何て幸せなんでしょうか。
今まで表現しきれなかった気持ちが頭からとびだして行くのが、こんなにも快感だなんて。
この世界に来れて良かった。
神様!心より感謝申し上げます!!
「……っふ。ハァハァ。どうでしたか?」
とても、疲れました。いつもの2倍くらい疲れました。
……でも、いつもの4倍くらい楽しかったです。
「「「「………………」」」」
「……あの?」
「「「「………………」」」」
うーん?ダメだったのでしょうか?私としては、改善点は多々あるにしても、上々な演奏だったと思うのですが。
まぁ、いいか。
「あっ!もうそろそろ帰りますね。また明日こちらに来てもよろしいでしょうか?」
「「「「…………」」」」
無視ですか。まぁいいです。勝手に来るとしましょう。
もう少しやりたかったですけど、大臣さんに内緒で王様に許可をもらって街に来ているので、バレないうちに帰らないと。
「では、また明日。よろしくお願いします。」
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