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音を司りし者が望むもの  作者: お狐
13/17

11.本能

今回から病み展開が続きますね。

ご注意ください。

真っ暗な中で、永遠と演奏をする。


あぁ、ずっとずっと音楽(暗闇)と一緒にいたいな。


ねぇ、お兄達。なんでそんな悲しい顔をしてるの?


辛いだろう?何が?分からないよ。分からない。


あぁ、あっちに行って。平凡()を見せないで。


目が潰れてしまう。


私にとっての最善なんだから。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








早朝。まだ朝日が空気に混ざって、朝露が光っている頃。


「………気持ちの良い朝ですね。」




☆☆☆☆☆





「こんにちは。フェルディナンド団長さん。」


「あぁ、サラさん。どうでしたか?バイオリーンの弾き心地は。」


「えぇ、とても良かったです。……でも、他の楽器にももっと触れてみたいですね。」


「分かりました。では、フルルトなんてどうでしょう?」


「えぇ。是非。」




☆☆☆☆☆





「おーサラ!おはよう。今日は何やらかすんだ?」


「失礼な。何もやらかしませんよ。」


「本当かぁ?……なぁ、ちょっと見学していってもいいか?」


「えぇ。構いませんよ?是非批評もお願いします。」


「え?俺がお前に言えることなんて有るか?」


「…………。」


「おい、無言やめれ。分かっているが、傷つくわ!」


「ふふっ。仲良いねぇ?漫才?」


「違うわっ!………って、なんでマイクがいる!?」


「えぇー?君に会う必要無くなーい?」


「くっそ、この野郎っ!」




あぁ、幸せですね。


あ、インスピレーションが。想像が。





「なぁ、今日はお前のために新しい遊びを考えてきたぞ!……なんだと思うー?」


「あははっ!ヒントは〜魔女狩り〜!貞子は滅ぼさないとねぇ?」


「あはっ!その顔ウケる〜!」




あぁ、辛い。痛い。怖い。


あ、インスピレーションが。想像が。





「いやぁ、今日も素晴らしい演奏でしたね!………でも、本当に大丈夫なんですか?あまりにリアルで……」


「はい。最近は想像が掻き立てられて……なので、大丈夫です。」


「そう……ですか。」




あぁ、あたたかいな。


あ、インスピレーションが。想像が。






「おっはよー!」


「あらぁ、今日も可愛いわねぇ!メイクしたらもっと可愛いのにぃ!」


幸せ。


「あっはっは!今日は微塵切りぃ!」


怖い。


「素敵です!ぐわっと心が鷲掴みなされるような……」


嬉しい。


「なぁ、最近大丈夫か?曲の感じがその………大丈夫ならいいんだが。」


あたたかい。


「なんで!俺が!見下される!?俺はっ!勇者だぞぉ!!」


「ごめん!ごめんねぇ!!っ!!」



痛い。

怖い。

想像。

必要。

執拗。

心配。

想像。

安堵。

想像。

幸せ。

寒い。

辛い。

想像。

想像。

想像。

想像。












「最近虐めんの飽きて来たからさあ?………殺しちゃおうかと思って!やっと、赤座が1分以内なら生き返らせることができるようになったんだよぉ〜なぁ?」


「と、ゆーことで!」


「《死の黒炎》!いっけぇー♡」






真っ黒な闇が近づいてくる。


濃厚な死の気配。そんなものを知らなくても反応が全力で警鐘を鳴らす。


でも……………、なんて、安心する。



きっと、これは全てを飲み込んでくれるブラックホール。


穴なのか、渦なのか。わからないけどまん丸でむしろ可愛い。


あぁ、思考がゆっくりだなぁ。













「《生き返れ、戻れ戻れ、我は神をも阻む者也。輪廻転生を阻む者也。生死を司るは我也。我こそ最上、最高位で有る。全てのものは我に平伏す。死なば諸共。我の行く手を阻む者よ。我の名の下に輪廻転生を受ける権利を剥奪しよう。》《運命変異》っ!」








白い光。これ以上無く神々しい。

辺り一面に響く鐘の音。精霊が舞、歌う。

中心には慈愛に満ちた美しい女性。

顔が歪み、赤い涙を流す。





「あははっ!本当に生き返ったぽいよ!?ヤバっ!」


「これはいいなぁ!殺り放題じゃん!」


「それなー!こいつの生命力ゴキブリ並じゃん?」


「おい!返事しろよ!生きてんだろっ!」


「ふ……ふふ」






あぁ、乾いた風が気持ちいい。


きっと、これはプレゼントだ。


新しいものを切り開いていく私への。












「あっ!……………ふっ!ふふっ、ふふふふ。…………分かったぁ!分かっちゃいましたー!」




さぁ、私を苦しめた人達。


上野、斎藤、清水、寺崎、新倉、赤座。





ふふふっ。あぁ、可笑しい。

貴方達だけが、そっち側だと思いましたぁかぁ?


ねぇ、笑ってよ。笑って!!











「貴方達をぉ?殺せばいいんですねぇ!」

















「あは、うっわぁ、遂にこいつ狂ったのかぁっ!?」


や、ばい、やばいやばい。いや、こいつがやばいはずがない。


喉に汗が伝う。



「なぁ、やばくね?」


「キャハハっ!んなわけっ!やばいわけ無いじゃん!こいつ能無しの職業だよ?」


そうだ!そうだよな!やばいわけが………





声が響いた。甲高い声だ。………人間が出せるのか怪しいくらいに。痛々しい声。




「…………っぐぅぁぁぁがぁぁぁぁ」


「ひっ!!きゃぁぁあぁぁぁぁ!」


「なぁぁぁぁにぃぃ?あグッゥッックゥァァァガァ!」


「っぐぅぁぁぁがぁぁぁぁ っっ!だ、大丈夫かぁーーー?!」



仲間の死にそうな声が聞こえてくる。


鶏を絞め殺した様な。


心配、怖い、何が起こってる?


濁流、情報、痛い痛い痛い痛い痛い痛い!








うるさいっ!うるさいうるさい!なんで、叫んでんだよっ!ウルセェなぁ!


あ…………るぇ?な、頭、頭?


笑い声?笑ってる。痛い痛い痛いいたいうるさいっ!笑うな!俺をワラうナァぁぁぁっ!




………何言ってんだ俺は。笑ってんの俺じゃん。














「あはっ!あははははっ!…………ねぇ、《起きて》《正気を取り戻して》」










あ………れ?何してたんだ俺は?


あ……………あ、そうだ。こいつに、殺されかけたんだ。仲間を、俺を、勇者を。


何故生きてる?何故?何故何故何故何故?



「…………っぅぐうっっ!……お前っ!な、何を!した!」



「ひっ!きゃぁぁぁぁぁっ!」


「うわぁっ!こっち、こっちに来るなぁ!」



「上野っ!新倉っ!落ち着け!そいつは…」






「五月蝿いですねぇ。《黙れ》」




「「「っ!……」」」






「やっと、静かになりましたね。………では、少し、お話をしましょうか?」













音楽()のために。



























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