0.始まり
ねぇ、貴方の一番怖いモノは何?
これを見て貴方はなんと答えるの?
お化け?虫?お母さん?お父さん?イジメっ子?社会?貧困?裏切り?病気?暴力?
ふふっ。なんでそんな事を聞くのかって?
貴方がどんな風な世界を見ているのかを知りたくて!だよ。
さて、私が答えたんだから貴方も答えてくれるよね?
…………ふーん。そっか。ん?何でもないよ。
あぁ、私の怖いモノ?
それはねぇ……………だよ!
えっ?聞こえない?仕方ないなぁ、もう一回だけ言うよ?特別だよ。
………………だよ。
はぁ?まだ聞こえないの?ふざけないでくれる?
まぁ、許してあげよう。………え?私が誰かって?
それはねぇ、私にもわからないよ。
………貴方は自分が何かって、定義ができるの?
ふふふっ。ごめんね。意地悪が過ぎたようだね。
あぁ、でも、私の怖いモノも、私の存在も、全部を一冊の本にまとめようと思うんだよ。
この本はね、『神話』だよ。
楽しくて、あったかくて、幸せな。
つらくて、痛くて、悲しい。
この世界がある所以だよ。
それを一緒に見てみようか。
ねぇ、そうしよう。
そして、終わった時に貴方の気持ちをもう一回聞かせてくれるかな?
私にはね、それが狂おしいほどに欲しいんだ。
人の感情ほど甘美なモノはないもの。
ふふっ。