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歴戦リズムゲーマーVS素人バーチャルリズムゲーマー【リ・アレンジ】  作者: 桜崎あかり


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11-8


 5月14日、何時もの『オケアノス・ワン』とは違うゲーセン――気が付くと、客入りが平日なのに土日並の状況になっていた。

ゲーセンの店員も動揺し、一部の客が入れ替わるような勢いだったのである。一体、何が起こったのか――?

【あのゲーセン、いつの間にか満員電車みたいになっているぞ】

【それ以上の客が来たら、大変な事に――】

【どうすればいい?】

【これを拡散しているユーザーを特定しないと】

【特定しても拡散は防げない】

 このゲーセンに大量の客が来ている理由をネット住民は特定しているのかもしれない。

実際、まとめサイトではゲーセンの場所と村正むらまさマサムネがプレイしていると――速報として拡散していた。

これでは――芸能人が来店した時の様なパニックは避けられないだろう。

【どのまとめサイトなのかは特定したが――ここは大手過ぎる】

【では、どうすれば?】

【記事の削除申請をするしかないだろうが――あのサイトは芸能事務所Aが運営していると噂のサイトだ】

【芸能事務所Aのアイドルグループが売れる為に、他のコンテンツを潰しにかかる――そう言う事か】

 そのパターンは、WEB小説でも書かれているようなよくあるテンプレだったのは間違いない。

以前にアルタイルが言及した事のある『フィクションをノンフィクションにしようとする事案』なのだろう。

アルタイルは、この事案が繰り返される可能性がある事を踏まえた上で――リズムゲームVSである意味でもマッチポンプと受け取られる様な事を行っていたのだ。

ある意味では『避難訓練等を行うのと同じ』と考えているかもしれないが、これを自然災害に対する訓練と考えるには――予想の斜め上である。

「これが――アルタイルの想定していた事だと言うのか!?」

 今日は『オケアノス・ワン』草加店の方にいたビスマルクは、別のゲーセンの中継動画を見て―ー悔しがる。

一連のネット炎上案件、それらは根絶する事は不可能――そう考えた事も踏まえてデンドロビウムが言及した『デミゲーマー』と言うワードが拡散した件を思い出す。

デンドロビウムの手を離れてワードが拡散された結果が――あの炎上案件だった。

ビスマルクもこの件に関しては、当事者ではないものの――炎上させようとしたプレイヤーを通報した事はある。

(自分も――アルタイルに踊らされていたと言うのか)

 手を拳に変えて画面を殴る様な事をすれば――出入り禁止は決定的である。

そう言った行為を行うように誘導するのが、彼らの目的だとすれば――彼女が行う事は一つしかないだろう。

「ここは、ネット炎上の事を考えずに――平常心でプレイするべきか」

 ムラマサのプレイが終了し、そのリザルトを見て彼女の決意は決まった。

ペンは剣よりも――ではないが、出来る事を全力で挑むのが彼らの暴走を止める方法だと――。



 【天ノ狼】――この曲に関して言えばクリアレートも80%を下回る時期があった。

これはノーマル難易度でのレートだが、アナザーではギリギリ2ケタだった時代も――と、ネット上ではウィキに書かれている。

だからこそ、この曲がウィークリーランキングに来た事には賛否両論だった。

「この曲で――全てを変えようと言うのか。ムラマサは」

 谷塚駅近くのコンビニで動画を見ていたデンドロビウムは、この場所へと向かおうと考えるが――そこへ向かうのを辞める。

仮にゲーセンへ向かっても、入場制限で入られないのは確実だ。

「ならば――」

 やることは決まった。彼女も――『オケアノス・ワン』草加店へと向かう事にした。

丁度、谷塚駅には小型のシャトルバスが到着している。このバスは『オケアノス・ワン』草加店の利用者向けの送迎バスであり、無料で利用可能だ。

(まさか、あの曲でネット上が祭りになる様な事は――)

 バスの方はある程度の人数が乗り込んだ後、出発する。目的地は『オケアノス・ワン』草加店だ。

全ては――ウィークリーランキングの決着を付ける為に。


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