42 さらなる強さへ
「そんじゃ、第二ラウンド……始めようか」
二人から距離を取り異空間から、魔剣グラムを取り出し俺は言う。
「「うん!」」
二人は元気に良く返事をする。
俺は右手をピストルの様に構える。
「重力弾!」
放たれた重力の弾は、アルシアとメロディアに向けて放たれる!
二人は軽やかに躱すと反撃を仕掛けてくる。
「火の妖精!」
何処からともなく出現した妖精は、アルシアに自らの力を貸し与える。
アルシアが宿した神の加護妖精は、様々な妖精達の力を借りる事が出来る為、汎用性が高く攻撃もサポートも行えるが、攻撃の方はお世辞にも強いとは言えない。
攻撃を喰らった所で俺なら瞬時に再生する為、俺からすれば攻撃力は皆無に近い。
アルシアは俺に向けて火の弾を放つ!
「喰らうかよッ!」
俺はグラムを一振りして、火の弾を消し去る。
すると、今度は背後から炎の弾が俺に襲いかかる!
俺はアルシアに気を取られていた為、攻撃を喰らってしまった。
「――ッ! 重力機関砲!」
俺は瞬時に体勢を立て直し、メロディアに向けて攻撃を放つ。
だが、メロディアは氷の壁を作りだし攻撃を防ぐ!
氷の壁は破壊されるがメロディアは無傷だった。
メロディア俺が弱く放つと分かってて、敢えて回避せずに防御したのか……。
「氷の妖精!」
今度はアルシアが俺の背後から攻撃を仕掛けてくる。
アルシアは氷を鋭く尖らせ俺に向けて放つ!
「グラビティ・フィールド!」
俺はメロディアの時の様に重力を真下に働かせる。
それなりに、連携はとれて来たな。
だが、連携がとれる様になっただけで、二人が強くなった訳じゃない。
根本的に変えないといけないかもな……。
「ここ迄!」
俺は次の攻撃を仕掛けようとする二人を止める。
「急にどうしたの団長?」
首を傾げメロディアが言う。
「修行の方法を根本的に変えようと思ってな……」
グラムと重力を異空間にしまい俺は言う。
「根本的? それって、どういう事?」
アルシアが言う。
「今から俺の神器を貸す。お前達には俺の貸した神器を完全に扱える様になってもらう。それが、これからの修行プランだ」
アルシアとメロディアを交互に見て俺は言う。
「団長の神器を私達が……?」
驚いた顔でメロディアが言う。
そして、それはアルシアも同様だった。
「そうだ。今からお前達でも扱える神器を探すのは骨が折れるからな。俺の神器を貸す事にした。ただ、俺の神器はどれも強力だから扱えるかはお前達次第だ」
そう言い俺は異空間から二つの神器を取り出した。
「アルシアに貸すのは神器変化する鎧。そして、メロディアに貸すのは龍の手だ」
俺は二人に神器を手渡しこう言う。
「当分の修行は解放した神器を扱える様になる事だ……。こんな風にな」
俺は異空間から取り出した呪縛の拳銃を、神器解放してアルシアとメロディアに見せる。
「神器解放……」
アルシアは神器解放された呪縛の拳銃を見て呟く。
「それが、お前達の――」
すると突如、背後から声を掛けられ俺は会話を中断した。
「ゼロ! 早く来て! リアンが泣き叫んででるの!」
梨沙に言われ俺は素っ頓狂な声を上げる。
「わ、分かった! 直ぐに行く。悪いけど修行は一時中断な」
俺は二人にそう言った後、二人を地下に残し自室で寝かせていた、リアンの下へ急いだ。
『お前も大変だな』
全くだ。
リアンの事だったり、アルシアとメロディアの修行だったり。
最近の事もそうだし……。
自室の前に着くとリアンの泣き声が、扉の前からも聞こえてきた。
俺は部屋に入りベッドで泣き叫ぶリアンを抱っこする。
「よしよーし。もう大丈夫だぞ。怖い夢でも見たか? それとも、誰も居なくて泣いてたのか?」
リアンをあやしながら俺は言う。
リアンは安心した様で泣き止み、また眠りについた。
「前々から思ってたけど、本当の親子みたいだね。ゼロとリアン……」
微笑みながら梨沙は言う。
「あはは、……それ、ルイーザにも言われたよ。傍から見たら親子同然だって……」
俺は苦笑いしつつもリアンとの関係性を喜んでいた。
不思議だよなぁ、こうやって一緒に生活していると、どんなに異形の姿をしていようと、愛着が湧くんだからなぁ。
「また、ここに一人で寝かせる訳にも行かないか。……どうすっかなぁ」
俺はリアンを抱っこしたまま考え込む。
「リアンを抱っこしたまま、修行する訳にもいかないしね」
梨沙は腕を組み頭を捻らせる。
「そうなんだよなぁ」
梨沙と同様に俺も頭を捻らせる。
リアンを抱っこしたまま修行すれば、リアンは泣く事はないけどリアンが危険だし、逆にリアンを一人で寝かせれば、修行は出来るがリアンが泣き叫ぶ。
見事なまでに彼方を立てれば此方が立たず状態である。
うーむ、……お手上げかな?
ルイーザは何かいい方法あるか?
『ない!』
うん、そう言うと思ったよ。
……マジどうすんの、これ。




