38 姉VS妹
「決まりだな。そんじゃ、全員表に出な」
俺はアルシア、メロディア、シェリル、レイナの四人を外に出るよう促す。
「あれ? 地下で戦う訳じゃないんだ……」
メロディアは不思議そうな顔で言う。
「当然だろ? こいつらは人の家に無断で入り込む様な輩だぞ?」
俺はシェリル達を睨みつけ言う。
「……」
それを聞いてメロディアは黙り込む。
「分かったら、早く外に出な。俺にはやらないといけない事が、あるんだからよ」
メロディアの頭に手を乗せ言う。
「……うん」
メロディアは静かに頷くと、靴を履きアルシアも共に外に出た。
屋敷から少し離れると、俺を含めたアルシア達四人を隔離空間の中に閉じ込める。
広さ的には家の地下と同じくらいの広さだ。
これで四人共心置きなく戦える。
まぁ、アルシアとメロディアの敗北は目に見えてるがな。
だが、この戦いの目的はアルシアとメロディアに、シェリル達と本気で戦う覚悟があるのかどうかを、見定めるもの……。
「さぁ、準備は整った! 思う存分、戦り合ってくれ」
俺のその言葉で戦いの火蓋は切られた――。
先に動いたのはシェリルとレイナだ。
シェリルは神器全てを従えし魔術の王女を使っている。
初めて見た時も思ったが、派手なデザインをした杖だなぁ。
シェリルは巨大な魔法陣を展開させるとそこから無数の魔力の弾を放つ。
さぁて、これにアルシア達はどう対処する?
シェリルの神器はメロディアの宿した神の加護属性の上位互換だ。
流石にメロディアでもこれだけの数の魔力の弾は防げないだろう……。
一つの魔力の弾を相殺するので精一杯じゃないだろうか?
一方、アルシア方はレイナと交戦中か……。
つまり、アルシアVSレイナ、メロディアVSシェリルって事か……。
アルシアの方は今の所は互角か。
まぁ、シェリルの強さが際だっているが、レイナも一応は騎士団団長クラスの強さだからな。
アルシア達が戦いを初めてから十分が経ち、アルシアとメロディアは防戦一方となっていた。
アルシアは神の加護妖精でなんとかレイナの攻撃を凌ぎ、メロディアは属性でシェリルの魔力の弾を相殺するので手一杯。
やはり、シェリル達と戦う事に戸惑っているみたいだな。
まぁ、当然っちゃあ当然だよな。
「さて、そろそろ終わりにしようか。メロ」
神器を構えてシェリルは、相対するメロディアに言う。
「それじゃあ、こっちも終わりしようかしら? アル」
四人とも最後の一撃を放つ構えを取る。
この一撃が勝負を決する。
だけど、四人がフルパワーで放つ一撃がぶつかったら流石にやべぇかもな。
特にシェリルの攻撃は、他の三人が放とうとしている攻撃とは、明らかにレベルが違う。
四人の放った一撃がぶつかる前に、止めた方が良さそうだな。
俺は異空間から龍の手、煉獄、魔剣グラム、二本の大剣を取り出す。
先ずは龍の手を身につけて神器解放する。
そして、背中から四本の龍の手を生やす。
俺は背中から生やした龍の手に魔剣グラム、神器解放した煉獄、二本の大剣を持たせる。
――刹那、四人はフルパワーの一撃を放った。
俺は四人が攻撃を放ったと同時に飛び出した!
ギリギリだっけどなんとか間に合ったな。
あー、疲れた。リアンを庇いながらだから余計に疲れたな。
何で戦ってもいないのにこんなに疲れっかなぁ。
理由は明らかなんだけど……。
神器二つを同時に解放すれば、こうなるのは必然的だけど。
まぁ、あの最後の一撃でアルシアとメロディアの、覚悟が見れたし良かったか……。
「流石だね、ゼローグ殿。ボク達四人の一撃を一人で止めてしまうんだから……」
俺に称賛の声を送るシェリル。
「そりゃあ、どうも」
二つの神器と魔剣、二本の大剣を異空間にしまい俺は言う。
その後、隔離空間を解除した。
「それで、協力してくれるかい? ゼローグ殿」
神器をしまいシェリルは言う。
「あぁ、協力してやるよ。但し、さっきも言ったように俺にはやる事があるから、アルシアとメロディアを強くするのはその後だ」
抱えているリアンに視線を移し俺は言う。
「半年経つまでに、二人を強くしてくれれば構わないよ。それじゃあ、用も済んだしボク達はもう行くよ。じゃあね、アル、メロ、半年後にまた会おう」
そう言い残し、シェリルとレイナは何処かへ消えた。
半年か……。長いのか短いのかよく分からん。
まぁ、時空を使えば半年もクソもねぇか。
さぁて、用も済んだし屋敷に帰るか。
……あ、そういえば、ナナ達に何も言わず来ちまったや……。
あいつら、心配してんだろうな。特に凛は……。




