表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第三章 正体不明 Code『UNKNOWN』
91/135

35 理由を求めて

「ううん……ふわぁぁ……。朝か」


 窓から差し込む日の光で俺は目が覚めた。

 リアンはまだ俺のお腹の上で眠っている。

 凛と唯も同様だ。


 あれ? 気のせいかな?

 リアンの足が人間っぽくなってないか?

 俺は今一度、リアンの足を見てみた。

 やっぱり、気のせいじゃない。

 寝ぼけていて、見間違えたかと思ったが見間違いじゃなかった。

 明らかにリアンの足は変化している。

 こりゃあ、あの研究所で調べた方が良さそうだ。

 つーか、今の今までリィアレを含めて普通に忘れてたな。


『最近は色々あったからな。仕方あるまい』


 起きたのか。おはようルイーザ。

 よく眠れたか?


『おはよう。疲れたせいか、ぐっすり眠れたよ』


 良かったじゃねぇか。

 最近はぐっすり眠る事なんて、無かっただろ?


『あぁ、ここまでぐっすり眠れたのは初めてだよ』


 俺もだよ。

 そういえば、リアンは昨日ちゃんと、夕食を食べたのかな?

 後でナナに聞いてみよう。


 さて、そろそろ起きないとな

 三人を起こさない様に起きないとな。

 俺は一度身体を起こし、リアンをベッドに寝かせて、三人を起こさぬ様に静かにベッドを降りた。


 俺は何時もの黒服に着替えた後、顔を洗い歯を磨く為に洗面所に向かった。

 顔を洗い歯を磨いた後、部屋に戻ると目が覚めたリアンが、大声で泣いていた!

 同じく目が覚めた凛と唯がリアンをあやしていた。

 俺はすぐさまリアンに駆け寄り抱きかかえた。


「よしよし、もう大丈夫だぞ。怖い夢でも見たのか?」


 リアンの涙を手で拭い俺は言う。


「きゅうん」


 安心した表情(かお)でリアンは鳴いた。


「どうしたんでありんしょう?」


 凛の言う様に本当にどうしたんだろうか。

 今まではこんな事なんて無かったのに。


「リアンがしゃべれたらなぁ」


 俺はボソリとそう漏らした。


「確かにリアンが喋れたら、泣いていた理由が分かるだろうね……」


 腕を組み唯は言う。


「俺達はリアンの事を何にも知らない……」


 泣き止んだリアンを見て俺は言う。

 朝食を食べたらあの研究所に行くか。

 あそこなら、リアンについて必ず何かが解る筈なんだ。

 多少、危険な手段を取る事になるけど……。

 あれこれ言ってる暇はないからな。

 人工神の加護についても、調べなきゃなんねぇし。


「まぁ、先ずは朝食を食べてからだな」


 そう言い残し俺はリアンの顔を洗う為に、再び洗面所に向かった。

 リアンの洗顔が済んだ後、そのまま広間に入る。

 広間にはまだナナだけの様だった。


「おはようございます。ご主人様」


 ナナは一礼して言う。


「俺達だけなんだから、敬語じゃなくていいんだぞ?」


 部屋の隅に居るナナに俺は言う。


「ですが……」


 恐れ多そうにナナは言う。

 俺はナナの前まで歩いて行き、ナナの頭に優しくチョップしてこう言う。


「言っただろ? 二人だけの時は敬語じゃなくて良いって。リアンは俺達の言葉を理解してるか、少し怪しいからな」


「う……うん。わ、分かったよ。ゼロ」


 頰を赤らめナナはそう言う。

 俺はナナの頭を優しく撫でた後、俺は何時も座っているソファーに座り、リアンをあやして皆が来るのを待っていた。

 その間に俺はナナにリアンに、ご飯を食べさせたのか聞いてみた。


「それが、二人共ぐっすり寝てたから起こすのが可哀想で……その……ごめん」


 そこでナナは言い淀んだ。

 つまり、リアンは食べなかったのか。

 まぁ、仕方ないか。


「気にするなよ、お前のお陰で俺達はぐっすり、眠れたんだからな」


 暫くして広間にぞろぞろと、何時もの面々が集まって来た。

 何時もと変わらない日常だ。ただ一つを除いて……。

 そう、朝の挨拶が一切無かったのだ。

 まぁ、当然だろう。昨日、明かした俺の正体を聞いて元気に挨拶、とはいかないのだろうからな。


 全員が揃い、ナナは朝食を準備をしている為、広間には居ない。

 広間には、かなり重い空気が流れている。

 俺の正体を知っていた面々と、知らない面々では空気の重さが、かなり違う。

 知っていた面々はいつも通りだが、知らなかった面々は殆どが、下を向き黙り込んでいた。

 その中でも得にアルシアと梨沙からは、他の面々よりも更に重苦しい雰囲気が、漂っていた。


 俺が原因な為に軽々しく「元気ないな、どうした」とか言えねぇし。

 つーか、言わなくても分かるわ!

 だって、俺が原因なんだもの。

 この重苦しい雰囲気を作った、元凶なんだもの。


 ……アルシア達は、これで戦う理由を失ったりするのかな。

 だったら、俺の正体は言わない方がよかったのかな?

 でもなぁ。あの状況だと言わざるを得ないし。

 戦う理由を見失うのは困るよな。やっぱ、活とか入れた方がいいのかな?

 どう思う? ルイーザ。


『……。お前が言えば余計に事態を悪化させるかもしれない。……だけど、他の誰かに(それ)が出来るとは思えない。ならば、お前が(それ)をやるべきだと、私は思う』


 そうか、そうだな。ありがとな、相棒。

 俺は決意を固めると、リアンを隣に座る凛に預けて、立ち上がってこう言う。


「ったく、どいつもこいつも朝から元気がねぇなぁ。お前ら、ここは葬式か何かか?」


「ふざけないで! ……せいで、貴方のせいで私達わッ!」


 メロディアは立ち上がり憤怒の形相で声を荒げる。

 俺のせいね……。


「ふざけないで? それはこっちの台詞だ。お前らは今まで何の為に、戦ってきたんだ? 俺はセシリアとの約束を守り、そしてセシリアを生き返らせて、凛や梨沙、お前達と平和に過ごす為に戦って来たし、これからもそうする。……それが俺の戦う理由だ。戦う理由がなきゃ、無駄に死ぬだけだぞ。……お前達の戦う理由は何だ? お前達は何の為に戦って来たんだ? 何の為に戦う?」


 メロディアを見据えて俺は言う。


「私の戦う理由は……。私がやらないといけない事だって思ったから、私にしか出来ない事だと思ったから。私は……私はその為に戦うんだと思う。それに、お姉ちゃんは私が居ないと無茶するから。私が支えてあげないと……。今は、それが私の戦う理由だと思う」


 再び下を向きメロディアは答える。


「それじゃあ、アルシアはどうなんだ? お前の戦う理由は何だ」


 俺は未だ俯いたままのアルシアに言う。


「私は……私は……。分かんないよ……」


 俯いたまま答えるアルシア。

 俺はアルシアの前まで行き、アルシアの胸ぐらを掴み叫ぶ。


「分かんない? ふざけんじゃねぇぞ! お前は今まで戦って来た理由も、分かんねぇのかよ! 俺の正体を聞いたくらいで、自分(てめぇ)が戦う理由を見失っちまうのかよ! ……もう一度聞くぞ、お前の何の為に戦う?」


「分かんないもんは分かんないの! 自分が戦って来た理由も戦う理由も……。私はどうしたらいいの……」


 ソファーに項垂れてアルシアは言う。


「分かんねぇならここで決めろ! 悪魔を根こそぎ倒す為か! 魔王を倒す為か! 大切な何かを守る為か! お前の戦う理由は何だ! 何の為に戦う!」


 再びアルシアの胸ぐらを掴み俺は言う。


「私は……。私は……。……守りたい、ゼロちゃんの様に……アリストレア王国の様にこれ以上、苦しむ人達を出さない為に、私が大切だと思う人達の為に、私は……私はその人達の為に戦いたい!」


 アルシアは大粒の涙を流しなからも、自分の戦う理由を、……決意を固めた表情で言う。


「上出来だ……」


 そう言い俺は、アルシアの頭に手を乗せてそのまま、メロディアと共に抱き寄せた。

 俺の腕の中でアルシアとメロディアは、泣きじゃくっていた。

 メロディアは(アルシア)を支え、自分にしか出来ない事の為に……

 アルシアは大切な人達を守り、これ以上苦しむ人を出さない為に……。


 どっちも戦う理由としては十分だな……。

 後は梨沙だな。

 ……一番の難点な気がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ