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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第三章 正体不明 Code『UNKNOWN』
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28 完全勝利

「よりによって、一番最悪な状態の、ゼローグ(あいつ)になるたぁなぁ」


 嫌気が差した様にニーズヘッグは言う。


「仕方ねぇだろうさ。いきなり魔王全員とご対面じゃあな……」


 頭を掻きながらサタンは言う。


あの状態(・・・・)になってないだけマシだろうさ」


 バロールは言う。


「話は済んだか? 虫螻共」


 腕を組み我は言う。


「あぁ、全力でいくぜ。ゼローグ……いや、ルシー」


 神の領域へと至りサタンは力強く言う。

 ほぉ、あれが神の領域か……。

 だが、神の領域と言っても、所詮はこの程度か。

 この我の力には遠く及ばないな。


 さて、戦う前にこの邪魔な臨界突破者(もの)を解除するか。

 我は即座に臨界突破者(クリティカルブレイカー)を解除し、異空間に煉獄をしまう。

 この程度の奴らを相手に、神器を使うまでも無い。


「さぁ、来い」


 その言葉が開戦の合図となった――。

 十二人の魔王は瞬時に魔神化となって、我に攻撃を仕掛ける。


 我はその全ての攻撃を片手で凌ぐ。

 ふむ、どうやら、神の領域はこの我に片手を、使わせるぐらいの力はある様だ。

 だが、我を倒すには至らないな。


「くっ! 俺達十二人の魔王、それも神の領域に至った魔王が相手で、敵わねぇのかよ!」


 幾度も我に攻撃を仕掛けながら、サタンは言う。


「そう、気を落とすな。そもそも、この世界、いや全世界の頂点たるこの我に、勝てる筈が無いのだ。そんなに、我に勝ちたいのなら、自らの能力を使えばいいだろう。まぁ、全て無駄だろうが」


 魔王達の全ての攻撃を躱し我は言う。


「舐めやがって」


 憤怒の形相でサタンが言う。


「それが、強者たる我の特権だ」


 サタンとの会話の最中、バロールが魔眼の能力を使って、我の動きを止めてこう言う。


「油断したなルシ」


「油断したのは我では無く、貴様だろうバロール」


 我が言った直後、バロールは後方に吹き飛んで行く。

 それを見たサタンは、唖然としていた。

 迂闊に我の攻撃範囲に入るから、そうなるのだ。

 さて、次はサタンか。


「バロール!」


 後方に吹き飛んでいったバロールに、視線を移すサタン。

 その一種のスキを我は見逃さず、サタンの顔に強烈な一撃のパンチを、放った。


「――っ!」


 バロール同様、サタンも後方に吹き飛びバロールの横に倒れた。

 と言っても、その内、目が覚めるだろうがな。

 さて、そんな事より、次は誰にしようか。

 残りの魔王を見渡す中、メフィストと目が合った。

 よし、次はメフィスト(こいつ)にしよう。

 次の相手が自分と気付いたのか、メフィストは攻撃の構えを取る。


「メフィスト、貴様の誘惑の能力は、我には意味を成さんぞ」


 不敵に笑み我は、メフィストに告げる。


「くっ……」


 苦渋の表情のメフィスト。

 ――刹那、我は背後から何者かの攻撃を喰らった。

 傷一つないがな。

 仮に傷がついた所で、我の身体は瞬時に再生するがな。


「俺が相手だ。ルシ」


 攻撃を放ったニーズヘッグだった。

 覚悟を決めた様な表情で、ニーズヘッグは言う。

 相手は、メフィストのつもりだったが……まぁ、いいか。


「いいだろう。来るがいい、全力でな」


 我が言うと、ニーズヘッグは我に向かって、飛び出してくる。

 ニーズヘッグは無数の拳打を放つ。

 はぁ、ただ殴るだけか……。

 安直な攻撃だ。

 何の芸もない。

 これでは、戦いにすらならんな。

 つまらん、余りにもつまらない。


 ニーズヘッグの拳を、人差し指で受け止めて、我は言う。


「まさか、これで全力と言う訳じゃないだろう? ニーズヘッグ」


 そう言われた、ニーズヘッグの表情は絶望の色となっていた。

 それだけ、全力で放った自分の拳が、人差し指のみで止められた事が、ショックなのだろうな。

 まぁ、ニーズヘッグの拳じゃ無かろうと、誰の拳だろうと、我は人差し指で全て止める事が出来たがな。

 そもそも、その気になれば我は、何もせずともこの世界を、滅ぼす事が出来るのだがな。


「そんな……バカな……」


 はぁ、やはりこの程度か……。

 絶望させてくれる。

 この程度で全力とは、良く言えた物だ。

 これはニーズヘッグ……いや、十二の魔王全員に言える事か……。

 神の領域に至った魔王が、聞いて呆れるよ。

 

「もう、面倒だ。魔王全員まとめて止めを刺そうか」


 空に向けて右手を伸ばし、魔力の玉を作り出す。

 練り上げた魔力の玉は、次第にどんどん大きくなっていく。

 莫大な質量の魔力の塊。

 放てば絶対空間(アブソリュートスペース)を破壊し尽くし、ここら一帯を一瞬で更地に出来る程の、威力だろう。


「おいおい、冗談じゃねぇぞ! こんなもん放たれたら、俺ら諸共お終いだぞ!」


 我が作り出した魔力の玉を見て、驚きの表情でマモンは叫ぶ!


「そう思うのなら、これを止めてみせろ。腐っても魔王だろう? まぁ、無理だろうがな」


 我の居ない間に、強くなったと言っても、やはり弱者である事に、変わりなかったか。

 我の期待を裏切った罰として、こいつら全員一度死んで貰おうか。


「もう止めて、ルシちゃん!」


 我の前に立ちはだかり、レヴィアタンは言う。

 わざわざ死にに来たか……愚かな女だ。

 我に恐怖したままでいれば、苦痛なく死ねただろうに。


「貴様にこの我は、止められん。弱者には、死ぬ運命しか無いのだ。死ね、虫螻共!」


 我は空高く飛ぶと、練り上げた魔力の玉を魔王に向けて放つ――。


「――がっ! ……ちっ、時間か……」


 片膝を付き頭を押さえ我は言う。

 手元の魔力の玉は、徐々に縮小していくと、最後には跡形もなく消え去った。


「はぁ、はぁ。……俺は一体、何を……」


 頭を押さえながら、辺りを見渡し俺は言う。


「ルシちゃんが、元に……戻った……」


 呆然としたままレヴィが言う。

 自分の髪を見てみると、銀色から何時もの黒髪に戻っていた。

 あの後、俺はどうしたんだっけ……。

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