27 一VS十二
梨沙のお陰で大分、気持ちに整理がついたし、修行に戻るとしよう。
「俺は修行に戻るとするよ」
俺は抱き寄せた二人を離して言う。
「ゼロ……頑張ってね!」
とびきりの笑顔で梨沙は言う。
「おう!」
俺はそう言った後、広間を出て再び地下に戻った。
さぁて、どうすっかねぇ。
戦う理由が見つかったのは良いが、根本的な解決にはなってねぇしな。
そういえば、サタン達は俺の居ない間、どんな修行をして強くなったんだろうなぁ。
『本人達に聞けば良いだろう?』
色々考えている中、ルイーザに声をかけられる。
どうやって聞くんだよ、サタン達も俺もお互いに、立場上堂々と会う訳には、いかねぇんだぞ。
例外とか色々あったが……。
『ここに呼べば良いだろう』
すると、第三者が俺達の会話に入って来て言う。
サタンか……。
呼べって言ったって、どうすりゃいいんだよ。
『俺が本体に声をかければ、全員ここに来るだろ。……多分』
多分ってお前な。
まぁ、いいや、早くやってくれ。
本当に来んのかなぁ? サタン達。
つーか、来てもらわないと困るんだけど。
神の領域に至るヒントも、貰えるかもしれねぇし。
『もう直ぐ来るってよ』
え? 本気で?
『あぁ、結構軽い感じだったぞ』
本気か……。
……ん? ちょっと待て、来るってサタン達どうやって、ここに来る気なんだ?
そもそも、全員で来たりしないよな?
いや、まさかね……。
……まさか、ね。
『そこは、どうにかして来んだろ』
え、えぇぇ……。
んな、アバウトな。
「よぉ、ゼローグ。元気にやってたか?」
そうこうしてる内に、本当にここに来てしまった様だ。
十二人の魔王達が……。
「本当に来ちゃったよ……」
苦笑いをし俺は眼前の、魔王達に向けて言う。
「嘗ての友にその言い草はねぇだろぉよぉ。ゼローグよぉ」
そう言い不服な顔をした男の名は、虐殺の魔王ニーズヘッグ。
魔王にはそれぞれ二つ名がある。
右から順に、高貴の魔王ベルゼブブ。
海帝の魔王レヴィアタン。
色欲の魔王アザゼル。
堕落の魔王ベルフェゴール。
魔眼の魔王バロール。
憤怒の魔王サタン。
破壊の魔王アバドン。
灼熱の魔王イフリート。
虐殺の魔王ニーズヘッグ。
強欲の魔王マモン。
誘惑の魔王メフィストフェレス。
夢魔の魔王サキュバス。
この二つ名は魔王それぞれの、固有の能力から取った物になっている。
それにしても、流石に魔王が全員集合した所は、壮観だな。
まぁ、昔に何度か見たんだけどさ。
「それでぇ、どんな理由でぇ、私達を呼んだのぉ?」
妖艶な雰囲気を放ちつつも、おっとりとしたサキュバスが言う。
「お前達は俺の居ない間、どうやって強くなったんだ?」
俺は一番の疑問を魔王達に聞いた。
「そんなの簡単よぉ。死に物狂いでぇ、殺し合ったのぉ」
不敵に笑いサキュバスは言う。
「はぁ、結局、死に物狂いで戦るしかねぇのか……」
やっぱり、ルイーザの言う通りなのかね。
修行にばかり、時間を使う訳にはいかねぇし。
凛や梨沙とイチャイチャしたいし。
リアンの世話もあるしな。
やっぱ、時間の流れを早くした隔離空間で、修行するのが良いんだろうが、何か負けた感じがするからなぁ。
だから、あんまり気乗りしないんだよなぁ。
「そんなに強くなりたいなら、私たちが相手になろうか?」
そう言ったのはメフィストフェレスだ。
相変わらず、露出の激しい衣服を着ている。
まぁ、それは、レヴィアタンやサキュバスにも言えるけどさ。
恥ずかしくはないのだろうか……?
「良いのか?」
俺が聞くと魔王全員が頷いた。
それじゃあ、お言葉に甘えてとことん戦り合おうじゃねぇか。
俺は異空間から神器、煉獄を取り出す。
それを見て魔王達は攻撃の構えを取る。
いいねぇ、昔を思い出す。
あの頃が懐かしいなぁ……。
「全員、神の領域に至った状態でこい!」
刀を鞘から引き抜き鞘を異空間にしまい、神器を解放させて瞬時に、限界突破をして限界突破者状態となる。
まぁ、限界突破者と言っても顔は鎧で覆ってはいないが……。
そして、次は絶対空間で俺達を覆う。
これなら、神の領域に至ったサタン達との戦いにも、耐えられる。
「おいおい、良いのかよぉ? 神の領域に至った俺達を相手にして。お前、ただじゃすまねぇぞ?」
挑発気味にニーズヘッグが言う。
その際、俺に変化訪れた――。
そう、前にも何度か合った変化。
髪は腰に届くほど伸びた、銀髪に変化する。
「バカか、お前は。お前達と俺様が戦り合ったら、ただじゃすまないのは、貴様らの方だろう? この我に貴様ら如きが、勝てると思っているのか? 天上天下唯我独尊、最強たるこの我に」
大胆不敵に笑い我は堂々と断言する。
「銀色の瞳にその銀髪、どうやら、昔のお前に戻った見たいだな」
遠い目をしたニーズヘッグが言う。
「誰に物を言っているのだ、ニーズヘッグ。さぁ、来るがいい! 嬲り殺してやろう、虫螻ども!」




