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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第三章 正体不明 Code『UNKNOWN』
81/135

25 中途半端な男は何の為に戦うのか?

 ………………。

 …………。

 ……。


 瞑想、座禅、そしてルイーザとの手合わせ。

 今更だが、これで本当に臨界突破者(クリティカルブレイカー)と、限界突破者(リミットブレイカー)の維持時間を伸ばせるのだろうか……。

 修行なんて殆どした事がないから、正解が分からない。

 先生みたいなのが居たら、こんな苦労しないんだろうけどさ。

 まぁ、師匠は居るんだけどなぁ。

 剣の修行してもなぁ……。


「……はぁ、俺は一体どうしたらいいんだ……」


『どうもこうも、死に物狂いで強くなるしかあるまい。大切な奴を失いたくないのならな』


 そんな事分かってるさ……。

 だけど、分かんねぇんだよ。


 どうすれば、強くなれんのか。


 どうすれば、神の領域に至れんのか。


 どうすれば、強大すぎるお前の力を完全に扱える様になるのか。


 どうすれば、俺自身の力を、コントロール出来る様になるのか。


 ……どうすれば、俺は……。


「……中途半端、だな」


『何?』


 だって、そうだろう?

 十二の魔王の力、魔王化。

 その先の力、魔神化。

 強大すぎるお前の力。

 神の領域。

 そして、俺自身の力。


 ……強くなろうと、幾つもの可能性に手を伸ばし、幾つもの神器を集めたが、結局、俺は強くはならなかった。


 俺は昔と何にも変わらない。

 只、ひたすらに強さを追い求めた、あの頃と……。


 ……何にも変わらない。


 俺は何の為に戦っていたんだ……。


 すると、ルイーザは俺の身体から現れた。


「ルイ――」


 俺はルイーザに殴られた。

 殴られた俺は、後方に吹き飛んで行き、壁に大の字で減り込んでいた。

 今の一撃で臨界突破者(クリティカルブレイカー)は、解除されてしまっている。


「がはっ」


 大量の血反吐を吐き、地面に俺は倒れ込こんだ。

 ルイーザが身体のから出て、不滅では無くなったが、それでも、俺には左目の呪いで永遠に死ねない為、少しづつ傷が修復していく。

 血反吐なんて吐いたの、何時ぶりだろうな。

 左目の能力で見たものを、記憶しているとはいえ、永い時間生きていると、色んな事を忘れちまって、いけねぇや。


 俺はなんとか立ち上がり、辺りを見渡す。


「はぁ、はぁ、随分と飛ばされたな……」


 何でいきなり殴ったりしたんだ、ルイーザの奴。

 ルイーザが居た方向に目をやると、ルイーザが猛スピードで、俺に近付いてきていた。


 俺は再び変化する鎧(アーマーチェンジャー)臨界突破者(クリティカルブレイカー)になり、ルイーザを迎え撃つ格好を取った。


 一発でももらえば確実に、鎧が破壊されてしまう。

 絶対にルイーザの攻撃は、躱さないと……。

 だが、臨界突破者(クリティカルブレイカー)は、一瞬のスキを付いたルイーザの一撃で、再び解除されてしまった!


「くっ!」


 ルイーザは俺の首を掴み、壁に押し付ける。

 二度もルイーザの一撃を受けたせいか、思う様に身体が動かない。


「何時からお前はそんなに弱くなった!」


 ルイーザは鬼の形相で言う。


「……俺が弱くなった?」


 それは、一体どういう意味なんだ?

 

「そうだ! 昔のお前はそんな弱い男じゃなかった筈だ! 中途半端が何だ! お前はセシリア生き返らせる為に、戦って来たんじゃないのか! 大切な人を護る為に戦って来たんじゃないのか! それとも、あの時のお前の言葉は全部、嘘だったのか!」


 首を掴む手を離し、俺の胸ぐらを掴みルイーザは叫ぶ。


「俺にどうしろって言うんだよ! 神の領域に至る方法も分からない! 幾つもの強さの可能性に手を伸ばし、強くなろうとしても強くなれない! セシリアを生き返らせる方法だって、何にも分かっちゃいないんだぞ! これが、中途半端じゃなかったら何なんだよ!」


 今度は俺がルイーザの胸ぐらを掴み、ずっと胸に閉まっていた思いを、行き場のない怒りを、ルイーザにぶつける。


「ゼロ?」


 すると、俺とルイーザの口論に第三者が入って来た。

 俺を何時でも一途に、想ってくれた梨沙だ。


「何でここに……」


 俺は、ルイーザの胸ぐらを掴む手を離し、梨沙に言う。


「ナナさんが、そろそろ休憩にしたらって、それで、私が呼びに来たの……」


 怯えた様な表情をして梨沙が言う。


「そうか、今行くよ……」


 俺はルイーザに目をやり、俺の身体に入るよう促した。

 ルイーザは素直に俺の中に入り、ルイーザとの口論と修行は一時中断となった。

 俺は梨沙と共に地下から出て、広間に入ろうとしたが汗が気になったので、風呂に入ってからにする事にした。


「俺、風呂入ってくるわ」


 梨沙にそう言い俺は風呂場に向かった。


 脱衣所で服を脱ぎ、浴室に入り身体を洗う。

 その際、浴室に一人の人物が入って来た。

 その人物とは梨沙だったのだ!


 俺は身体を洗う手をやめ、梨沙に視線を向ける。


「何で……」


 普段の俺ならめちゃくちゃ喜ぶ、シチュエーションなんだろうが、今の俺はこの状況に喜ぶ事は出来なかった。


「いいでしょ、恋人同士なんだから……それと、あんまり見ないで、恥ずかしいから」


 頬を赤らめ俺の隣に座り、身体を洗い始める梨沙。

 何で急に……。

 一緒に風呂なんて入った事、無かったのに。

 やっぱり、地下での会話を聞いて、一緒に風呂に入るなんて事を……。


「……あ、あぁ、悪い」


 俺は再び自分の身体を、洗い始めたのだった。

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