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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第一章 最強の目覚め
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07 地獄の業火

「ふわぁ……相変わらず起きるの早いなナナ。いつ起きたんだ?」


「一時間くらい前です」


 目が覚めるとナナは既に起きていて、何時ものメイド服を着ていた。

 寝る時に狐の姿だった凛は、全裸になって寝息を立てていた。


「何故凛様は裸なのですか?」


「昔から朝になると裸になってるんだよ。多分、寝てる時に人の姿に戻る癖が、ついちまったんだろうな」


 それから直ぐ後に凛と梨沙が目を覚ました。

 梨沙は何で凛が裸なのかを、俺にしつこく聞いてきたので、ナナに説明した時と同じ説明をすると、梨沙は納得したようで、それ以降は聞いてはこなかった。


「アルシア達はもう起きてるかな。ナナ様子を見に行ってもらえるか?」


「はい。かしこまりました」


 そう言いナナは部屋を出て、アルシア達の様子を見に行った。

 それから十分程した後で、ナナはアルシア達と一緒に、部屋に戻って来た。

 アルシア達は昨日着ていた服を着ていた。

 凛も既に浴衣を着ている。

 梨沙もアルシア達と同じ様に、昨日着ていた服を着ている。


「全員揃ったし朝食を食べに行こうか」


 そう言って皆で食堂に朝食を食べに行く。

 相変わらずこの食堂は、アリアが貸し切りにしたおかげで、俺達以外の人が居なくて、凄く静かだ。

 朝食は和食と洋食があり、皆それぞれ好きな方を食べていた。

 俺と凛とアルシアは洋食で、残りの四人は和食だ。

 洋食は食パンとサラダと、プレーンオムレツで、飲み物は牛乳とコーヒーのどっちか、俺はコーヒーで凛とアルシアは牛乳だ。

 和食はご飯と味噌汁と焼き魚に漬物で、飲み物はお茶と水で四人とも、お茶を選んでいた。


「いただきます!」


 全員で両手を合わせ、朝食を食べ始める。

 朝食を食べ終えて、自分の部屋に戻った後は、特にする事がなく暇だった。

 何か面白え事、起きねぇかなぁ。


「お兄、久しぶりにわっちと、戦ってほしいでありんす」


「いいぜ、暇だからな」


「戦うなら何処か広い所を、知らないでありんすか?」


「王立フィリナ学園の地下闘技場を、学長先生に貸してもらいに行こうか。二人は来るか?」


 俺はナナと梨沙に聞くと、二人共ついて来ることになった。

 後はアルシア達が来るか聞きに行くと、三人共ついて来ると言うので、全員で学長先生に地下闘技場を、貸してもらいに行くことになった。

 学園に着いて学長先生に、地下闘技場を使う許可も降りたので、凛と久しぶりに戦う準備をする。

 隔離空間(アイソレッドスペース)で観客席ギリギリまで、四角い隔離された空間を作りだして、これで凛との戦いを始める準備は整った。

 他の皆は観客席に座っている。


「どれくらい強くなったのか見てやるから、俺を殺す気でかかって来い!」


「全力でいくでありんす!」


 凛は神の加護(ゲート)の能力を使って、龍の門(ドラゴンズゲート)を出現させてそこから、この空間の半分を埋め尽くす巨大な龍を呼び出す。

 凛の宿した神の加護(ゲート)の能力は、門を出現させて、そこから門に対応した者を召喚して、従える事ができる。

 昔は小さな龍を召喚するので、精一杯だったのが、今はまだ後数体は出せるくらい、余裕がある様に見えた。


「征け!」


 凛の指示で巨大な龍は凛の妖気を纏って、俺の方に向かってくる。

 大抵の者ならこれでお終いだろう。

 これだけで、凛がどれだけ強くなったのかが、よく分かったので、俺は凄く嬉しかった。

 俺は異空間に閉まっていた、日本刀の形をした神器を取り出す。

 鞘から抜くと刀身の紅い刀が現れる。


「神器解放。煉獄!」


 俺は力強く叫び神器を開放させる。

 神器煉獄の能力はあらゆるものを焼き尽くす地獄の業火を身に纏う刀。

 俺の腕は一瞬で真っ黒に焦げてしまっている。

 温度は既に一万度を超えている、近づいただけで焼け焦げて死ぬだろう。

 確か溶岩は千二百度程度だった筈だ、そして、現在の煉獄の温度は一万度……。

 普通の人間なら神器を解放した時点で、ドロドロに溶けて終わりだろうが、普通の人間ではない俺達は、ドロドロに溶ける事はないだろうが、離れていてもその熱量に当てられて、まともに動く事もままならないだろう。

 隔離空間(アイソレッドスペース)で、大分、温度が軽減されてはいるが、漏れた熱量で観客席に居る皆は汗を流している程だ。

 永遠に死ぬことが出来ない、俺だからこそ扱う事が出来る神器。


「煉獄・業火一刀!」


 真正面に放たれた斬撃は向かって来る、巨大な龍を真っ二つにする。龍を殺した後は瞬時に、凛の背後をとって決着がついた。

 勿論、神器は解除している。

 でないと、凛は確実に死んでいるからだ。


「わっちの負けでありんすね、やっぱりお兄は強いでありんす。流石わっちのお兄でありんす!」


「凛も凄く強くなったな。びっくりしたよ」


 そう言って凛の頭を撫でると、凛は嬉しそうに尻尾を振っていた。

 凛との戦いが終わると今度は、観客席に座っていたアルシアとメロディアが、俺と戦いたいと言ってきたので、二人と戦う事になった。

 二人はじゃんけんで、俺と戦う順番を決めていた。

 戦う順番はメロディア、アルシアの順になったようだ。


「全力でいくよ団長!」


「おう」


 俺は凛と戦った時と同様に煉獄を使って、メロディアと戦う事になった。

 メロディアは両手に水で作った球体をこちらに放ってきたが、煉獄の熱気で直ぐに蒸発してしまう。

 それが分かったのか、メロディアは直ぐに降参した。

 もうちょっと頭捻って、戦えよ。

 俺、何にもしねぇじゃねぇか。


「いくよゼロちゃん」


「こい!」


 次にアルシアと戦う事になった。

 勿論、煉獄を使ってだ。

 アルシアは氷の力を持った、妖精の力を借りて両手に、大量の氷の塊を作り出している。

 そして大量に作った氷の塊を、こちらに放ってくるが、メロディアの時と同様で直ぐに蒸発してしまう。

 それでもアルシアは何度も、氷の塊を放ってくるが、観念したのかメロディアと同様に、降参する。


 煉獄を使ったのは失敗だっただろうか……。

 というより、神器は使わなかった方が、良かったんじゃ……。

 まぁ、いいや。


「そろそろ戻るか」


「うん」


 こうして俺達は学園長にお礼を言った後、宿屋に戻って梨沙、ナナ、オリヴィアを除いた四人は、一緒の部屋で夜になるまで、眠っていたせいで全然眠れなくなり、次の日、俺達四人の目の下には、クマができていた。

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