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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第三章 正体不明 Code『UNKNOWN』
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18 刹那の領域

 俺に一体、何が起きたんだ……?

 この、黄金のオーラは、一体……。

 自分の身体を見渡すが、黄金のオーラを纏っている以外は、何の変化も無かった。

 疑問は尽きないが、この変化が何時まで保つか分からない以上、この変化の理由を考えるのに、あまり時間を費やす訳にはいかないからな。

 取り敢えずあれこれ考えるのは、シェリルに勝った後にしよう。 


「……一体、ゼローグに何が起きたんだ? あの黄金のオーラは何なんだ……」


 俺達を追って来たレイナが、俺の変化に驚き言う。


「その黄金のオーラ……はぁ、まさか、奥の手を隠してたなんてね。それだけボクとの戦いに、本気になってくれたって事かな?」


 振り向いたシェリルが肩で息をして言う。


「奥の手じゃねぇよ」


 俺がそう言うとシェリルは、目を見開き驚いていた。

 そして、シェリルが一泊空けて言う。


「それじゃあ……その黄金のオーラは一体……」


 驚くシェリルに俺はこう言う。


「知るかよ、俺が聞きたいくらいだ……。さて、お話はここまでだ。この姿がどれだけ維持で出来るのか分からないから、さっさとけりを付けさせてもらうぜ」


 俺は瞬時にシェリルとの距離を詰め、シェリルの額に軽くデコピンをした。


 ――刹那、デコピンを喰らったシェリルは、後方に凄まじい速度で吹き飛び、後ろにあった大きな岩に、大の字で減り込んでいた!

 おいおい、本気かよ……。

 軽いデコピンであの威力っ! 流石に我ながら引くわ……。


 もし俺が本気でシェリルに殴っていたら、シェリルの頭と体は繋がっては、いなかっだろうな……。

 シェリルのそんな無残な姿、絶対に見たくないもんな。

 女の子を傷つけたくないから、加減した訳だが……良かったわぁ。

 まぁ、ボロクソになる迄、殴り合って今更だけどさ……。


 さて、シェリルがどうなったのか、見てくるか。

 ここからじゃ、岩に大の字で減り込んでいる事しか、分からないからな。


 体力がかなり消耗しているし、全力で飛び出した方が良いよな……。

 ……ん? ちょっと待てよ。

 軽いデコピンでシェリルが、岩に減り込んだんだよな……。

 全力で飛び出したら不味いよな……。

 いや、絶対に不味い……。

 あっぶねぇ、あっぶねぇ。

 気付いて良かったわぁ。


 よしっ! 軽くだぞ、軽く。

 俺は軽く飛ぶと自己暗示し、シェリルに向かって軽く飛び出す――。


 ――っ! 俺はいつの間にか、シェリルの目の前に立っていた。

 やっぱり、軽く飛んでよかったわぁ。

 見たところシェリルは息もしてるし、気を失っているだけの様だった。


「この勝負、俺の勝ちだな、シェリル」


 気を失っているシェリルを後にして、エスフィールが居る方に、飛び出そうとしたが、突如、黄金のオーラは霧散すると、再び途轍もない疲労感が俺を襲った!


 俺は地面に四つん這いの格好となり、ぜーはーと息をしていた。

 この疲労感は……さっきの倍、以上はありそうだな……。

 決着がついたのを確認すると、レイナ達はシェリルの方へ走って行った。


 そういえば、この勝負に勝ったらシェリル達の目的を聞く、約束をしてたってけか。

 まぁ、そんな余裕、今の俺には無いけどな……。

 とうとう俺は地面に突っ伏す状態となる。

 身体に、力が入らねぇ……。

 やべぇな…………。

 はぁ、はぁ、意識が、朦朧と、してきた……。

 このざまじゃあ、研究所と屋敷を覆う隔離空間(アイソレッドスペース)や、シェリル達にかけた時間輪廻(タイムループ)は、解除されてそうだな……。


 シェリルを肩を貸し、俺に歩み寄るレイナが言う。


「約束だ、私達の目的を教えよう。私達の目的はアリストレア王国の再建、研究所を襲ったのは、人工生命体の技術を手に入れる為だ」


「はぁ、はぁ。それじゃあ、俺の屋敷を、はぁ、襲った理由は……」


 息も絶え絶えの中、俺はレイナに問う。


「…………あの子達がどうしてるのか、気になってね……」


 儚げな表情でレイナが、寂しそうにして言う。

 あの子達……か。


「ゼローグ殿……ボクとの戦いは、楽しかったかい?」


 意識を取り戻したシェリルが、弱々しく言う。


「あぁ、最っ高に楽しかったぜ……」


 俺は意識も朧げの中、力を振り絞りシェリルに答える。

 シェリル達の姿がぼやけて見える程、消耗している見たいだな……。


「よかった……」


 その言葉を残しシェリル達は何処かへと消えていった――。

 そろそろ、限界だな。

 エスフィールの安否を、確認出来ないのが心残りだが、流石にこの状態じゃあな。

 無事でいてくれよ、エスフィール……。




          *****

 天界にて――


「ご報告致します。下界にて僅かな時間ではありますが、何者かが神の領域に至ったようです!」


 神兵が最高神に向かって、跪き言う。


「えぇ、知っているわ。それは、きっとあの子よ。ふふふ、一歩前進した様でよかったわ、あの子……」


 最高神は微笑み言う。


「どうやら、シェリルという魔導師とのギリギリの戦いで、至ったようですぞ。最高神様」


 神兵同様に跪き、一人の男が言う。


「もしかしたら、それ(・・)があの子が神の領域を、完全に使いこなす、切っ掛けになるのかもしれないわね……」


 顎に手をやり最高神が言う。


「ギリギリの戦いが、あの者を、神の領域へと至らせると?」


 男は最高神に問う。


「えぇ、そう。可能性の話だけど、その可能性は十分にあるわ」


 真剣な眼差しで最高神は男に言う。


「でしたら、儂らの代行である彼らとの戦いで、神の領域に完全に至る可能性が、あるかもしれませんな」


 男は言う。


「そうね……だけど、今じゃなくていいわ。今はあの子を休ませてあげたいから……。その時はお願いねゼウス」


 慈しむ様な表情で最高神は言う。


「承知しました、最高神様」


 ゼウスと呼ばれた男は、立ち上がりそう言うと、その場を後にした――。

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