11 研究所の真実
俺達は人工神の加護を作っていた、研究施設がある場所に行く為に、一度部屋を出て一本道を戻っていた。
一本道を戻るとエントランスに着く。
エントランスに有るエレベーターの前に立ち、上のボタンを押す。
「何で神の加護を作っていた施設が、地下にあるのに上に行くの?」
俺の隣に立っている梨沙が、不思議そうな顔をして言う。
「行けば分かるさ」
俺は梨沙に答える。梨沙や凛達は俺の返答に、訝しげな表情をしていた。
全く、侵入者を防ぐ為だろうが、面倒くせぇ事しやがるぜ。
この研究所は面倒くせぇ事のオンパレードだな。
そうこうしてる内にエレベーターが来たので、中に入り十階のボタンを押す。
「十階? どうして、地下とはかけ離れた所に……」
リィアレが怪訝そうな表情をして言う。
「言ったろ、行けば分かるって」
十階に着きエレベーターから降りて、一階と同様に一本道を歩いて行く。
十階も一階と同様一本道の両サイドには、幾つもの扉があった。
一本道を歩いた先には扉があり中に入ると、幾つもの機械が置いてある。
俺は扉から見て部屋の一番右下の、隅の場所へ歩いて行くと、山積みになったダンボールを退かして、床下点検口の様な物が現れたのでそれを開くと、滑り台の様になっていた。
「さぁ、行くぞ」
俺は床に座り両足を入れて言う。
「もしかして、ここが地下へ行くための道でありんすか?」
凛が地下への入り口を指差して言う。
「あぁ、さっさと行くぞ」
俺はリアンを抱えた状態で、滑り台を滑っていく。
後ろを見るとリィアレが滑って、追いかけて来る。
そして、リィアレの後ろでは梨沙が叫び声を上げて滑っていた!
こういうの苦手なのかな、梨沙。後で聞いてみよう。
「ふぅ、やっと着いた」
暫く滑り漸く地下へと到着して、俺は一息ついて言う。
そして、後ろから続々とリィアレや梨沙達も滑り降りて来た。
ここが人工神の加護研究所か……。
この人工神の加護研究所は、十階からしか行くことの出来ない場所。
まさか、侵略者も地下に行くのに十階から行かないと、行けない場所だなんて思わないだろうから、こうしたんだろうけど……。
非常に面倒くせぇ。
……もしかしたら、レイナ達もここの人工神の加護の存在を知って、ここの研究所を襲っていたりしてな。……ありそうでやだな。
部屋には液体の入ったカプセル? がありサイコロ程の四角い物体が入ってある。四角い物体は大小様々だ。それが横に十列、縦五列程だ。
その他にも機械や資料が、どっさりと来たもんだ。一体何時になったら調べ終わるんだろうか……。
この液体の中に入ってるのが、人工神の加護なのか?
だとしたら、かなりの数があるぞ。一体何の為につくったんだろうなぁ。
「ここが、そうかい? 旦那様」
衣服の乱れを直して唯が言う。
「あぁ、そうみたいだぜ。面倒くせぇけど、調べるか……」
とは言ったもののどっから調べたものか。
こんだけ調べる量が多いと、ナナ達も連れてくれば良かったかなぁ、これ。……失敗したわ。
まっ、適当に調べるとしよう。
俺は研究資料が置いてある場所に移動して、龍の手を発動して龍の手で、資料を手に取り研究内容を調べる。
梨沙達も研究資料を調べ始めていた。
一体何の為に、人工神の加護なんて物を作っていたんだ……?
……このページか。えーっと、人工神の加護はここで作られた、人工生命体に適合させて、百年後に来たる異世界からの侵略者――来訪者に対抗する為である――。
――っ! マジかよっ!
まさか、その為に人工生命体と人工神の加護を、作っていたなんて……。
でも、何でこれを書いた奴は来訪者の存在を、知っていたんだ……?
研究員は全員この事を知っていたのか? それとも、一部の研究員だけが知っていたのか――。
考えれば考える程、分からねぇや。
一体、誰が来訪者の存在を教えたんだ?
それと、もう一つ気になる事がある。ここの研究所は最低でも作られてから十年は経っているはずだ。あの、阿呆みたいな量の研究資料がそれを物語っている。それに、研究資料はあれで全部じゃなかった。
人工生命体の研究は人工神の加護と、同時期に行われていた。つまり、ここの研究員は十年前から来訪者の存在を知っていたって事になる……。
……はぁ、何でこうも次から次へと、悩み事が増えるかなぁ。
「はぁ、時間内にこの研究所を隅々まで、調べられるか不安になって来たな」
俺は大きな溜息をついてボソッと言う。
「私はあの量の研究資料を見た時からそう思ってたよ」
研究資料を見ながらうんざりげに梨沙が言う。
まぁ、確かにあの量の研究資料はマジで、笑えねぇ量だったからな。
梨沙がそう思うのも当然か……。
この研究所の時間の流れ、もっと早くした方がいいかな? でも、あんま早いと食料的な問題が……。そうでなくても既に食料的な問題があるし。
圧倒的人手不足である。
一周回ってテンションが、ハイになりそうだ。
リアンは良いよなぁ、難しい事考える必要なくて。
腕の中で気持ち良さそうに眠る、リアンをみて俺はそう思った。




