07 謎の施設と少女の正体
さぁて、何から質問すればいいのやら……。
取り敢えずはこいつが何者かを、聞くとしますかね。
「さて、再びお前に問うぜ。お前は一体何者だ?」
只の少女じゃない。……それは、さっきの戦いで分かっている事だ。
あの身のこなしがそれを物語っている。
一体……この少女は……。
「私は、ここで作られた人工生命体、私の名はリィアレ。これで満足ですか?」
俺は少女の答えを聞いて耳を疑った。
それは、俺だけじゃなく、梨沙、凛、唯も少女の答えを聞いて、目を見開いて驚いている様だった。
抱っこしているリアンは首を傾げて「きゅう」と鳴いている。
それにしても、ここで作られた……だと?
人工生命体……。まさか、この施設は人工生命体を作る施設なのか?
「……ここで作られたと言ったが、まさかと思うがこの施設は――」
俺の質問を遮り、目の前の少女リィアレは言う。
「はい、この施設は人工生命体を作る為の施設です」
――っ! やっぱりか! だとしたら、リアンもここで作られた、人工生命体って事なのか?
俺は抱っこしているリアンに、視線を移す。リアンは何時もの様に「きゅう」と鳴いていた。
取り敢えず、次の質問に移ろう。
「何故、この施設はこんなにボロボロ何だ?」
俺はリィアレに最後の質問をする。
「それは――」
リィアレが答えようとした時、近くでドカーンという爆発音がした。
何だ今の爆発音!
俺は辺りを見回すと自動ドアが開き、三人の人物が施設に入って来た!
騎士の鎧の様な物を着た二人の男と、一人の女性。こいつらは一体……。
「次から次へと、面倒事ばかり。何者だお前ら!」
俺は施設に入って来た三人に問いかける。
「ほぉ、まさか、こんな所で最強の騎士と謳われる貴方に出会えるとはねぇ。私は元アリストレア王国国王直属の、騎士団団長をしていたレイナと言います」
真ん中にいたレイナと名乗った女性は、深々と一礼をした。
金髪のポニーテールに赤い瞳をした綺麗な女性だ。
って、今はそんな事はどうだっていい! こいつ今、アリストレア王国って言ったよな。
どうして、面倒事ってのは面倒事を呼ぶんだろうな。
「……アリストレア王国……。滅んだ王国の騎士団団長さんが一体ここに何の様だ?」
俺はレイナと名乗った女性に問う。
「簡単よ、ここで作られていた人工生命体を貰いに来たのよ。そういう訳だから、そこを通して貰おうかしら」
人工生命体を貰いに来た? 一体何の為に……。王国の再建でもしようってのか?
それにしても、微笑んでいるレイナからは殺気しか感じない。
力づくでもここを通るつもりか……。
「ここは逃げた方が身の為だと思うぜ? 短い人生をこんな所で、終わらせたくはないだろう?」
俺も少しだけ殺気を込めて言うが、レイナは臆する事なくこう言う。
「それじゃあ、死んでもおうかしら」
刹那、瞬時に俺との距離を詰めて、腰にある鞘から剣を引き抜き、斬りかかって来た!
俺は龍の手を発動して背中から龍の手を伸ばし、剣を受け止め隔離空間で梨沙、凛、唯、リィアレを覆う。
「この程度じゃないだろう?」
俺は不敵に笑いレイナに言う。
「当然よ。けど、その気色悪い奴を下ろさないで、抱えたままでいいの? それとも、負けた時の言い訳に、抱えたままにする?」
気色悪い……か。まぁ、それが当然の反応何だろうけど、ちょっとムカつくな。
「馬鹿かお前、下ろすだと? ちょうどいいハンデだろ? それに、これでもまだ、対等には程遠い。……それとも、お前が言う様にお前が負けた時の言い訳に、リアンは抱えたままにしようか? お前が負けた時リアンを抱えたままなら、多少負けた時の言い訳になるだろ? 両腕が使える状態の俺に、完膚なきまでに叩きのめされるよりさ」
俺はさっきよりも強めに、殺気を込めてレイナに煽る様に言う。
「言ってくれるじゃない」
さっきまで微笑んでいたレイナの顔は、憤怒の形相になっていた。
「お前もなっ!」
俺は背中からもう一つ龍の手を伸ばし、レイナに拳を振り下ろす。
レイナはそれをバク転で華麗に躱す。
振り下ろした拳は地面に、深々と突き刺さっていた。
もう少し遊んでいたいが、今回はこいつらと戦ってる場合じゃないからな。ここらで、消えてもらうとしよう。
「悪いが今回はお前らに、構ってる時間は無いんだ。そういう訳だから、消えてもらうぜ」
俺は三人を同時に移動させられるくらいの、大きさがある空間移動を作って人差し指を振り下ろすと、空間移動は指とリンクしてレイナ達三人を、遥か彼方に移動させた。
三人を移動させた後、隔離空間を解除する。
……あ、あいつらの目的聞くの忘れてた……。
まぁ、いいや。どうせ、また合うんだろうし。これっぽっちも会いたくはないん無いけどさ。
えーっと、確か、何でここがボロボロなのかって質問だったっけか。
「さて、邪魔者が入ったがさっきの質問の続きだ、何故この程度はボロボロ何だ?」
まぁ、大体の予想はつくんだけどさ!
どうせ、あいつらの仕業だろう。
「切り替えが早いですね、まぁ、いいですが。ここがボロボロなのは、お察しの通りさっきの輩によるものです」
やっぱりか、あいつらの目的は一体……。
また、悩み増えそうだな、こりゃ。
面倒事は面倒事を呼び、悩みは悩み呼ぶ。
そして、その面倒事や悩みはさらなる面倒事と悩みを呼ぶ、きりがないな。




