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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第三章 正体不明 Code『UNKNOWN』
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05 記憶が示す場所

「うぅん……ふわぁぁ」


 目が覚めるとベッドには、寝息を立てた凛と唯が、気持ちよさそうに眠っていた。

 俺どれくらい寝てたんだろう? なぁ、ルイーザ、俺は何時間寝てたんだ?


『えーっと、昨日お前がリアンと共に寝たのが、十三時くらいだったな。で、今は朝の八時だから、お前が寝ていた時間は十八時間だから、半日以上は寝ていた事になるな』


 ハハハ、マジかよ……。十八時間って……すげぇな。「俺、最高で十八時間も寝てたんだっ!」って自慢出来るな。まぁ、「寝すぎたろ!」って言われるのが目に見えてるけどさ。

 それにしても、なるほどね。だから、ベッドに凛と唯が眠っていたのか、納得したわ。


『余程疲れていたのだろう、最近のお前は悩み事が多いからな』


 確かにルイーザの言う様に最近は、俺を悩ませる事ばかりだったな……。

 神の領域に正体不明(アンノウン)、そして、リアンとの出会い。

 はぁ、俺はどうしたらいいんだ……。こんな時、セシリアが居たらな……。


「きゅうぅぅ」


 ん? この声は……。俺は声のした方を見ると、リアンが目を覚ました様だった。

 リアンは大きな欠伸をした後、ベッドを這うようにして、俺の方に寄って来くると俺の膝にちょこんと座った。

 あれ? 気のせいかな、リアンが大きくなったような……。そんな訳ないか、気のせいだよな!

 それにしても、やっぱり可愛い顔してるなぁ。こんな、異形の存在だけど、顔は本当に可愛いなぁ。あぁ、癒やされるわぁ。

 っと、こんな事してないで、さっさと顔洗って歯磨こう。


 俺は膝に座っているリアンを抱きかかえて、部屋を出て一階の洗面所に向かった。

 洗面所に着くと俺は龍の手(ドラゴンズハンド)を使い龍の手で椅子を作り、そこにリアンを座らせた後、顔を洗う。

 その際に椅子に座っていたリアンが、俺の真似をして自分も顔を洗おうとしたが、昆虫の手では水を掬う事が出来ず、リアンは何度も水を掬おうとしていた。その姿が余りにも可愛かったので、少しの間黙ってリアンが水を掬う姿を見ていた。

 俺は近くにあったタオルを、水で濡らして絞った。

 これなら、リアンも顔を洗えるだろう。


「リアン、目を閉じて」


「きゅう?」


 リアンは首を傾げて鳴いた。目を閉じるのが分からないのか? 俺は一度手本として、目を閉じてみるとリアンも真似して目を閉じた。

 俺はリアンが目を閉じたのを確認すると、濡れたタオルでリアンの顔を、痛くないように優しく洗う。


「きゅう!」


 リアンの顔からタオルを離すと、リアンは無邪気な笑顔で鳴いた。どうやら、濡れたタオルは気持ち良かったようだ。

 その後俺は歯を磨いた後、再びリアンを抱っこして部屋に戻った。

 部屋に入ると既に凛と結は、目が覚めた様で着ぐるみパジャマから普段着に着替えていた。


「おはよう、二人共」


 俺は目が覚めた二人に言う。抱っこしていたリアンも、「きゅう」と鳴いた。


「おはよう、お兄」


「おはよう、旦那様」


 そう言って二人は返事を笑顔で返してくれた。


「さて、広間に行くか!」


 俺達は朝の挨拶を交わした後、部屋を出て一階の広間に向かった。

 広間には俺達を覗いた全員が揃って居た。


『おはよーう』


「きゅう!」


『おはよう、三人共!』


「おはようございます、旦那様、凛様、唯様、リアン様」


 俺達が言った後、梨沙達もおはようと返してくれた。まぁ、エスフィールは俺には言ってないだろうけど。

 ナナが朝食の準備をしている間、俺達はソファーに座り朝食を待っていた。リアンは俺の膝の上に座り、おとなしくしている。

 少しの間待っているとナナが扉を開けて、台車に朝食を乗せて入って来た。ナナが台車に乗せた朝食をテーブルに置いた。


『いただきます!』


「きゅう!」


 全員で手を合わせて言うと、リアンも皆を真似して手を合わせて、元気よく鳴いた。

 リアンは食パンを手にとると、食パンを見回したり、匂いを嗅いだりした後、食パンを一口食べるが首を傾げている。

 ジャムを付けてなかったからな、味がしなくて首を傾げているのだろう。俺は苺ジャムの入った瓶を取り、スプーンで掬いリアンの食べたパンにジャムを塗る。


「ほら、食べてみな」


 俺は苺ジャムを塗った食パンを、リアンに食べさせると、リアンは夢中で食パンを食べていた。


「きゅう!」


 美味しいと言っているのだろうけど、夢中で食べたせいか口の周りには、ジャムがべったりと付いていた。


「口にジャムが付いてるぞ」


 俺はティッシュを何枚か取って、リアンの口を拭いた。まるで子育てだな。世の母親はこんな大変な事をしてんのか。

 ……母親か……。俺の母親もこいう事をしてくれてたのかな……。どんな人だったんだろうな……。


「よし、これでいいぞ。次は何のジャムを塗るんだ?」


 リアンの口を拭いた後、何のジャムを塗るのかリアンに聞いてみる。


「きゅう」


 リアンは自分の塗りたいジャムの入った瓶に手を伸ばした。と言ってもリアンは、何のジャムが入ってるか分からないから、何を基準で選んだかは、分からないけどさ。

 俺はリアンが選んだ瓶を手に取り、もう一枚のパンに塗った。ブルーベリーか、林檎の方がリアンの口に合いそうだけど……ブルーベリーはリアンの口に合うかな? まぁ、何事も挑戦だよな。

 リアンはブルーベリーを塗ったパンを一口食べると、苺ジャム同様夢中になってパンを頬張っていた。微笑ましいなぁと思いつつ俺も、パンにジャムを塗り口に運ぶ。

 パンを食べ終えたリアンの口はやっぱり、ジャムがついており、再びティッシュでジャムを拭いた。


『ごちそうさま』


 そう言った後、俺達は食器やジャムの入った瓶を台車に乗せる。

 ふぅ、さて、マールの所に行ってリアンが、何処から来たのか調べてもらうとするか。


「俺はリアンと一緒にマールの所に行く」


 俺がそう言うと、凛、唯、梨沙の三人が同時に、こう言った。


「わっちも行きたい!」


「妾も行きたいよ、旦那様」


「私も行きたい、ゼロ」


 それじゃあ、マールの所に行くのは俺、リアン、梨沙、凛、唯か。残りは屋敷で留守番だな。師匠が居るし問題ないだろうけど、念の為に隔離空間(アイソレッドスペース)で屋敷を覆っておこう。


「そんじゃ、ちょっくら言ってくるわ。留守番よろしくな!」


 俺は空間移動(ワープホール)を使いマールの住む辺境の地に移動する。

 マールの住む家は木で作られた一軒家程の大きさをしている。俺は扉をノックすると、マールが欠伸をして扉を開けた。


「なんの用だい? ゼローグ」


「朝早くに悪いな、マール。リアンの記憶を俺と共有させる事出来るか?」


 俺は抱きかかえたリアンを、マールに見せて言う。


「また、面倒事を背負い込んだんだな……話を戻すがその、リアンって娘の記憶が残っていれば出来るぞ」


 少し悲し気な表情(かお)をした後、マールが言う。


「そんじゃ、頼む。リアンの記憶があればだけど……」


 これで何にも覚えていなかったもう、手の内ようがない。頼むから覚えていてくれ!

 マールはリアンの頭に手を乗せ目を瞑る。暫くするとマールを目を開きこう言う。


「記憶は残っていたぞ」


「本気か! それじゃあ早速記憶の共有を頼む!」


 いやぁ、良かったよ。これで記憶は何にも残ってませんだったら、マジで終わりだったからな。リアンが覚えていてよかったわぁ。

 つーか、覚えていないと話が進まないから困るんだけどさ。


「それじゃあ、やるぞ。記憶の共有(メモリーシェア)!」


 ――っ! これが、リアンの記憶。そして、リアンが居た場所。こりゃあ、更に面倒な事になったぞ……。

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