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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第三章 正体不明 Code『UNKNOWN』
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04 住人が十人以上居ます

 俺達は数秒の散歩を終えて屋敷に帰る。

 帰るも糞も目の前だけどさ。


 つーか、数秒の散歩って言うか、殆ど歩いてないからな。結局、数秒間外に出ただけだ……。

 ……散歩って何だっけ? 散歩は散歩か。いや、数秒の散歩を散歩と言うのか? でも散歩は散歩か。ん? つまり、結論を言うと数秒の散歩でも、散歩は散歩って事なのか?

 ……いや、こんな自問自答繰り返してないで、早く屋敷の中に入ろう。……なんか、疲れたな。


「ただいま……っと」


 俺はそう言った後、梨沙や凛と共に広間の中に入る。


「あれ? ゼロちゃんもう帰ってきたの? 随分、早い散歩だったね」


 俺に気づいたアルシアが、ソファーから立ち上がり言う。


「あぁ、まぁな」


 俺はアルシアにそう返す。

 散歩、してねぇけどな。屋敷から出て帰って来ただけだ。本当、何してんだろう、俺。


「えっと、さっきから気になっていたんだが……その……ゼロの抱えている、その異形の存在は一体……」


 オリヴィアが俺の抱えている、こいつについて恐る恐る聞いてくる。


「いや、それが……屋敷の前に居たんだよ、こいつがさ。弱ってるし放っとく訳にもな……」


「なるほど、それでこんなに早く帰って来たのか……」


 俺が事の説明をするとオリヴィアは納得した様だった。

 俺はソファーに抱えていたこいつを、横にさせた。うーむ、名前がないと不便だな。何がいいかな……。


「どうして、こんな異形の存在が生まれたんだろうね?」


 腕を組み首を傾げてアルシアが言う。

 確かに、何でだろうな。自然に生まれた? いや、そんな訳ないよな。じゃあ、何でだ?


「まるで、合成獣(キメラ)みたいだね」


 俺の隣にいた梨沙がボソッと言った。

 合成獣(キメラ)……同一個体に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じった存在……。簡単に言えば二種類以上の生物を、融合させた架空の生物だ。

 有名な奴だと、確かキマイラはライオンの頭に、山羊の胴体、そして、毒蛇の尻尾を持った伝説の生物だったかな。

 合成獣……。うーん……合成獣。自然に生まれないとすれば、どうやって生まれた? 

 ……まさか、何者かが人工的に作った? だとしたら、目的は一体……。


「お兄?」


 俯く俺の顔を下から覗き込んで、凛が不安げに言う。


「ん? どうした?」


「お兄、凄い真剣な顔でこの娘を見てたから……」


 そりゃ、真剣にもなるさこいつの正体が、全く分かんねぇだからよ。

 一体どっから来たんだろうなこいつは。


「どうして、こんな異形の存在が、生まれたんだろうなぁ、と思ってさ」


 最近は俺の頭を悩ませる事ばかり、起こってるな。まぁ、こいつが生まれた理由、考えられる可能性は、自然に生まれたのか、又は何者かが人工的に作った、かのどっちかかな。


「マールさんに頼んで見る? もしかしたら何か分かるかも」


 マールか……確かにあいつに頼めば、こいつの記憶を読んで、何か分かるかもしれないな。


「そうすっか。もうお手上げだし、まぁ、マール所に行くのはこいつが回復してからだな」


 さて、俺はこいつの名前を考えるとしよう。何がいいかな。皆にどんな名前がいいか相談し合うか……。そう思い皆に話しかけようとした時、アルシアがこう言う。


「それじゃあさ、この娘の名前何がいいか考えようよ!」


 どうやら、アルシアも俺と同じ事を考えていたらしい。何時までもこいつとかこの娘、って訳にもいかないからな。


 ……どんな名前がいいか頭を悩ませる俺達。

 何がいいかなぁ。うーん……。合成獣(キメラ)、異形の存在、異形は英語でVARIANT。VARIANT……。あっ――。


「……リアン。こいつの名前」


 俺はリアンの頭に手を乗せ言う。


「私はいいと思うよ」


 梨沙はそう言い俺の考えた名前に、賛成してくれた。

 俺は全員の顔を見渡すと、全員(そっぽを向いたエスフィールを覗いて)頷いてくれたので、梨沙と同様に賛成してくれたのだろう。


「ねえゼロちゃん、どうして、リアンって名前なの?」


 そう言って俺にリアンの名前の由来を、聞いてくるアルシア。


「あぁ、簡単さ。異形は英語でVARIANTだからな」


「そっか、それでリアン……」


 納得したアルシアはそう言うと、ソファーに座った。


「皮肉な名前ですね。ご主人様」


 悲しげな顔をしてナナが言う。

 確かに、ナナの言うように皮肉な名前かもな。

 俺はいつの間にか眠っていた、リアンの頭を撫でる。

 それにしても――。俺は再び全員の顔を見渡す。随分と住人が増えもんだ……最初は俺一人だけだったのにな。


「どうかしました? ゼローグさん」


 レイチェルが首を傾げて聞いてくる。


「いや、随分と住人が増えたと思ってな」


 俺一人だったこの屋敷も、今じゃ十人以上も住んでいる。


「そう思うと感慨深いね」


 メロディアがテーブルに置いてあった、お茶を口に運び言う。


「あぁ、そうだな……さて、俺は疲れたから部屋に戻って少し寝るわ」


 そう思い広間を出ようとすると誰かに手を掴まれた。見てみると目が覚めたリアンが、俺の手を掴んでいたのだ。


「きゅう、きゅう」


 えーっと、これは、つまり、どういう事だ? 俺が離れたのに気付いて目が覚めて、手を掴んだって事か? うーむ、分からん。


「お兄の事が気に入ったんじゃない?」


 優しい表情(かお)でリアンを見ながら凛が言う。


「きゅう!」


 まるで、そうだ! と言っているかのような鳴き声だ。え? 本気で俺の事気に入ったの? 今の今までで俺を気に入る要素あったか?


「えーっと、つまり俺はリアンと一緒に、部屋に戻らないといけない訳?」


 はぁ、仕方ないか。俺はリアンを抱きかかえるて、広間を出て自分の部屋に戻った。

 俺はベッドにリアンを横にさせて、リアンの隣に俺も横になり、少しの間眠りについた。

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