03 これは一体何でしょう?
「ただいま。ナナ」
そう言った後俺はソファーで寝ている、狐姿の凛と絡新婦姿の唯を、空間移動で一度床に移動させた後、ソファーに横になり再び空間移動で、凛と唯を俺のお腹の上に移動させる。
「ねぇ、ゼロ。アリアさんは何て言ったの?」
梨沙の質問に俺はこう答える。
「なーんにも、正に正体不明。だが一つ分かった事がある」
「それって?」
ソファーで横になる俺の顔を覗き込んで、梨沙が言う。
「シャロン、ウィリアル、エミリアも同様の事が起きたらしい」
「えっ……、それって、まさか、複数人居るって事?」
驚いた表情で梨沙が言う。
「どうだろうな……。考えられる可能性は二つ、一つは梨沙の言ったように複数人居るのか。そして、もう一つはたった一人で何人もの悪魔の存在を消し去ったのか……」
複数人だとしたら面倒だな、俺としては一人だと嬉しいんだがな。だが、複数人存在するって方が可能性は高いか。
シャロン達の出会った七十二柱の悪魔が、同時刻なら複数人で確定だろうが……。いや、空間移動みたいな技を使って、悪魔の存在を消し去る攻撃をすれば、離れた場所でも可能か……。あいつらに聞いとけばよかったな、失敗した。
はぁ、どうしたもんか……。全く、次から次へと悩みが増えるな。神の領域に加えて正体不明か……。
……気分転換に散歩でもしようかな。そうも思った矢先、俺のお腹からぐぅーと大きな音がなった。その音が大きかったようで、俺のお腹の上で寝息を立てていた、凛と唯は目が覚めたようだった。
……決して俺は悪くないぞ、決して! これはあれだ、昼飯の時間だから悪いんだ! きっと……多分……恐らく。
「昼食の準備をしますねご主人様」
少し微笑んでナナが言う。
目が覚めた凛と唯は俺のお腹の上で人間の姿になった事で、俺のお腹上を裸で馬乗りしていた。
そのせいで、俺の目の前には凛の一糸纏わぬ姿が……。唯の裸は凛に隠れて見えないが、凛の掌に収まらない程の大きな胸に、綺麗なピンク色をした乳首、そして、くびれた腰に大きすぎず、小さすぎないお尻はバッチリ見えてます!
本当に綺麗な身体をしている。間近で凛の生まれたまの姿が見れるなんて、俺の腹の虫ナイス!
「お兄のエッチ……わっちの裸ならお兄が見たい時に、何時でも見せてあげるでありんすよ」
モジモジしながら頬を赤くして凛が魅惑的な事を言う。
俺の見たい時に何時でも……。
「うわっ、鼻の下すっごい伸びてるよ。ゼロ、そんなに凛さんの裸が見たいんだ……」
虫を見るような目で梨沙が言う。なんか、梨沙じゃないみたいで怖いな……。
「フッ、男は何時だって可愛い女の子の裸を見たいのさっ!」
最高に格好いいキメ顔で俺は言う。
「最低」
そう言った梨沙の目はゴミを見るような目に変わっていた。純粋に怖い……梨沙だけは怒らせないようにしよ。
俺と梨沙の会話が終わる頃には、凛と唯は着替え終えていた。なので、俺はソファーの真ん中に座り両隣に、凛と唯が座った。
少しの間待っているとナナが、台車に料理を乗せて広間に入って来た。この匂いは天ぷらかな?
ナナが料理をテーブルに乗せ終えると、全員席に着き昼食を食べ始めた。テーブルの上には色んな天ぷらの入ったお皿がある。えーっと、海老、かき揚げ、カボチャ、さつまいも、ちくわ、玉ねぎ、タラ、レンコン、椎茸、大葉と、とても豪華だった。
さぁて、どれから食べようかなぁ。よしっ! 玉ねぎから食べようっと。俺は玉ねぎの天ぷらをめんつゆに付けた後口に運ぶ。衣がサクサクで中は玉ねぎが、柔らかくなってめちゃくちゃ美味しい! さっすがナナ! 俺の自慢のメイドだなぁ。後で頭を撫でて上げよっと。
ナナの作った天ぷらが余りに美味しかったので、全員あっという間に完食してしまった。いやぁ、どれも衣がサクサクで本当に美味かったなぁ。
さて、腹ごしらえも済んだし気分転換に散歩すっか。そう思い席を立ち広間を出ようとすると、凛に呼び止められた。
「お兄何処かに行くでありんすか?」
「あぁ、気分転換に散歩でもと思ってな」
俺がそう返すと凛はこう言ってきた。
「だったら、わっちも行くでありんす」
そう言った後、凛はソファーから立ち上がった。
「あぁ、良いよ」
俺がそう言うと梨沙がこう言ってきた。
「私も行きたい!」
「ん? あぁ、良いぜ。そんじゃ、三人で食後の運動も兼ねて散歩しますか!」
俺達三人は広間を出た後、玄関に向かった後外に出た。ふぅー良い天気だなぁ。俺達はブラブラ歩き始めた矢先、屋敷の前でとんでもないのと出会ってしまった。
……これは、一体……何だ? 紫色のショートヘアに、オレンジ色の瞳。左目は髪で隠れて居る。顔だけ見れば普通の人間の女の子だが、胸から下と腕は完全に異形の物だった。両手はカブトムシやクワガタの手のようになっていて、足は二本の触手が絡まった様になっていた。
俺はそれに近づき抱きかかえる、一切抵抗しない。どうやら、弱っているようだ。それにしても、どっから来たんだ? 正体不明に加えて、この異形の存在か……。正体不明な奴ばっかりだな。
「どうするでありんす?」
俺の隣まで歩いてきて凛が言う。
「まぁ、良くなるまでは面倒見るさ。さぁ、早く屋敷に戻ろう」




